こんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
・公務員の昇任制度【3つのパターン】
・能力主義の落とし穴
・公務員の醍醐味は年功序列である話
お疲れ様です、公務員大学 総長のはやたです。
私は現役の地方公務員で、現在はオリパラ組織委員会へ出向し、多方面からの出向者とともに仕事をしています。
色々な行政機関の人が集まっているため、公務員の昇任制度についても様々な話を聞いたことがあります。
公務員の昇任制度は行政機関によるのですが、大きく分けると3パターンあることがわかりました。
そこで今回の記事は、公務員の昇任制度について解説していこうと思います。
公務員の昇任制度【3つのパターン】
公務員の昇任制度は、下記の3パターンがあります。
・年功序列型
・年功序列+昇任試験併用型
・昇任試験型
それぞれ見ていきましょう。
①年功序列型
年功序列型は、例年の人事異動でのみ昇任していく制度で、最も一般的な仕組みです。
例えば、下記のような流れで、昇任に伴う試験制度は一切なし。
23歳:主事
30歳:主任
37歳:主査
45歳:係長
50歳:課長代理
55歳:課長
もちろん、年齢がすべてというわけではなく、選別は当然あります。
相応の年齢になると昇任の対象となり、優秀だと評価を受けている職員は昇任がされるということですね。
②年功序列・昇任試験併用型
2つ目のパターンは、年功序列と昇任試験を併用したものです。
先ほどのモデルを参考に解説します。
【年功序列】
23歳:主事
30歳:主任
37歳:主査
45歳:係長
--------------
【ここから先は昇任試験が必要】
50歳:課長代理
55歳:課長
ある一定階級(主には、主査・主幹・係長などラインの長)までは年功序列型と同じく選考試験はなく、人事課の人事のみで昇任が進んでいきます。(上記はあくまでも一例)
しかしそれ以上の階級になる場合は選考試験があるという仕組みですね。
③昇任試験型
昇任試験型は、昇任する場合はすべて試験を課す仕組みです。3つの中で最もハードな制度ですね。
私が知る限り、この制度を採用している行政機関は「東京都」のみです。
つまり、東京都では主事からの昇任でも試験が必要になります。
私の友人の話では、入庁したての頃、30代後半の主事と同じ係だったことがあるそうです。なんだか気まずいですね。
国家公務員と地方公務員の違い
国家公務員は、年功序列型です。試験があるという話は今のところ聞いたことがありませんね。
一方で地方公務員は年功序列型を中心としつつも、昇任試験を取り入れている自治体もちらほら、という感じです。
国家公務員で早く出世したかったら、国家総合職に入るしかないですね。一般職とはスピードが3倍違いますので。
能力主義の落とし穴
とても残念なことに、公務員は出世して早く昇任しても、「うまみ」がありません。
昇任しても給料は微増
公務員は昇任してもほとんど給料が変わりません。昇任した年に6号又は8号昇給がありますが、大した変化はないですよね。
毎年7000円昇給するのが1万円になるだけです。しかも1回きり。
また、管理職に就くと管理職手当が支給される一方で、残業代は支給されなくなります。
支給される管理職手当の金額よりも、残業代としてもらえる金額の方が高いため、ヒラの方がよいと言われています。(職責はヒラの10倍はありますね)
給料が大して上がらないのにも関わらず、責任は10倍になるのが公務員の実態です。
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公務員の醍醐味は年功序列である話
「年功序列=悪」だと考える人もいますが、この年功序列こそが、日本社会における秩序を作っています。
年下上司がいない
日本は年上を敬う文化があるので、上司は年上の方が組織は円滑に回ります。
公務員のように秩序だった組織では実力重視に偏重してしまうと、年下上司を量産してしまい、人間関係が危うい職場になりやすくなると思います。
もちろん、仕事なので割り切ることもできると思いますが、そうではない人もたくさんいるはず。
国からの出向者(35歳部局長)に注文をつけられている50歳の生え抜き職員を見ると、悲しくなるのは、私だけではないはずです。
安定の本質は年功序列
昇任からそれてしまいますが、年功序列制度に基づく昇給制度は、職員の安定を作り出しています。
世間一般でいう「安定した仕事」とは、「身分保障がしっかりしていて、お給料も役職も徐々に上がっていく仕事」のことですよね。
この「安定」という言葉の根幹をなすのは「年功序列」です。
ですから、公務員という安定した仕事は年功序列の上に成り立っているわけです。
ゆっくり公務員生活を楽しみましょう
公務員は黙っていても年功序列で昇給していくので、その制度をフルに活かすことを考えるべきですね。
バリバリ働くより、毎日定時で帰ってアフター5を楽しむ生活を目指す方が圧倒的に合理的だと思います。
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