


こんな疑問に答えていきます。
✔️本記事の内容
- 参考書選びのポイント
- 【元公務員が厳選】おすすめ参考書
- 勉強のヒント
こんにちは、元公務員のはやたです!
私は元県庁職員でして、2012年〜2020年の9年間、地方公務員として働いていました。
公務員試験は大学3年生の2月から独学で勉強し、3ヶ月強の期間で「地方上級」「裁判所事務一般職」「特別区」の3つの筆記試験に合格した実績があります。
公務員試験を受験するにあたり、適切な参考書を選ぶことはとても大切です。
参考書によっては解説がわかりづらく、何時間も勉強したところで結局他の参考書を買い直し、ということもよくあります。
私も実際、某大手予備校が出版しているテキストを何も考えず買った結果、すぐに新しい参考書を買い直すことになり、とても後悔しました。
そこで今回の記事では、受験生のあなたが参考書選びで悩むことがないように、私が受験生時代に使った参考書(問題集)を全て紹介します。
★公務員試験受験生の方は、こちらもオススメ★
参考書選びのポイント
参考書を選ぶ際、重要な3つのポイントがあります。
このポイントを踏まえて、参考書を選ぶようにしましょう。
情報が最新であること
購入する本は、必ず最新版を選びましょう。
公務員試験は過去問題の学習が基本ですが、問題のトレンドが変わってくることがありますので。
1年古い程度で致命的な事態にはなりませんが、最新の動向を把握することはとても大切です。
ここは出費を惜しまず、古本でなく新品を買うようにしましょう。
※本記事についているリンクは、全て最新刊となっております。
評論家にならないこと
ありがちなのが、「あの本はいい」「この本はダメ」とやたらウンチクを述べる評論家になってしまうこと。
参考書を選ぶ目的は試験勉強を効率化することなので、参考書選びそのものは手段に過ぎません。
参考書マニアになって、勉強の出来不出来を参考書のせいにするような人にならないように注意しましょうね。
科目によって傾斜をかける
少しテクニカルな話になりますが、公務員試験は科目ごとに配点が異なります。
なので配点が高い科目に傾斜をかけて勉強することが重要です。
参考書選びも同じで、配点が高い試験ほど解説が丁寧で文量のある参考書を選ぶことが必要です。
イメージとしては、下記の通りですね。
- 一般教養:解説入り問題集1冊/科目ごと
- 一般知識:ハンドブックタイプのテキスト1冊/科目ごと
- 専門科目:テキスト1冊、問題集1冊/科目ごと
受験の戦略として、教養科目は最低ラインを超えることを狙い、専門科目で稼ぐということは一般的ですよ。
【厳選】おすすめ参考書
さて、ここからおすすめ参考書をピックアップしていきます。
【前置き】科目の確認


一口に公務員試験といっても、国家総合・国家一般・地方上級・政令市・市役所・警察・消防etc......と無数に有ります。
ただし、試験範囲はそんなに変わりません。
代表的な国家一般、地方上級を受けるのであれば、その他の職種は概ねカバーできます。具体的に見て行きましょう。
◯ 一般教養
- 文章理解
- 数的処理(判断推理、数的処理、資料解釈)
◯ 一般知識
- 自然科学
- 社会科学
- 人文科学
- 時事問題
(↓ 基本的に必須科目)
- 憲法
- 民法Ⅰ
- 民法Ⅱ
- 行政法
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 政治学
- 行政学
(↓ 任意選択科目(職種による))
- 財政学
- 経営学
- 社会学
- 国際関係
- 心理学
- 教育学
範囲がいかに膨大かということが理解していただけたと思います。
上記の科目について、オススメ参考書を紹介して行きたいと思います。
勉強方法
突然ですが質問です。
公務員試験の勉強って、何から始めればいいと思いすか?
専門科目の「行政法」?それとも「ミクロ経済学」?
実は公務員試験の科目は体系的に学ぶことができるので、学ぶべき順番というものがあるんです。
そういった勉強方法について言及しているのが、「公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法【2020年度版】」という書籍です。
※補足:2021年7月現在、「2020年度版」が最新となっています。
内容としては、下記の通り。
・合格するには、何から手をつければいいのか?
・「点になる科目」と「捨て科目」とは?
・勉強すべき順序と、合格へのスケジュール
・どの参考書や問題集を選べばいいのか?
・参考書や問題集の使い方
ストレートなタイトルで、胡散臭さすら感じますが、内容は真面目なので有用な書籍です。
一般教養
教養試験は、理解力を問う「一般教養」と、知識量を問う「一般知識」の2分野があります。
一般教養の科目は、下記の通り。
・文章理解
・判断推理
公務員試験というと、まずこの教養試験のイメージを持ち、難解だと認識している方も多いと思います。
しかし、いくら難しいといっても、やり方次第。どんな参考書があるか、一緒に見て行きましょう。
一般教養①文章理解
文章理解からは「現代文」「古文」「英語」が出題されます。
いずれも問題の難易度としては、そこまで高くなく、大学入学共通テスト(センター試験)レベルです。
理解力を問う分野なので、毎日問題を解いて慣れておくことが重要です。
現代文
私は下記のスー過去をひたすら毎日1題ずつ解いていました。
問題の数をこなしながら、回答スピードや選択肢の切り方を体で覚えるスタイルが良いでしょう。
英文
英文については、演習のほかに、副次的に文法や単語の復習もしておくと良いでしょう。
高校の頃使っていた参考書があればその参考書を使いましょう。
捨ててしまったという方には、「速読英単語1必修編[改訂第6版]」をお勧めします。
本を開くと、あるトピックについて見開きで左側に英文、右側に和訳。次ページに高校レベルの単語紹介(例文つき)といった構成になっています。
英語が苦手だという方は、速読英単語シリーズの入門編から取り組んでみましょう。
古文
古文も英文同様、問題集以外に単語帳などを1冊使うようにしましょう。
私としては「古文単語ゴロゴ」がオススメです。
「語呂合わせで古文単語の意味を覚えよう」という面白い趣旨の本です。
一見するとふざけている本ですが、例文や文法の解説など、参考書としてはかなりきちんとまとまっています。
単語を読むだけでなく、たくさんの文章を読むので、読解にも一役買う本です。
一般教養②数的推理
一般教養のメイン分野で、下記3つの種類があります。
- 判断推理
- 数的処理
- 資料解釈
正直、最初は時間内に解くことが全くできないと思います。私も、最初は時間内に終えることは不可能にすら感じていました。
でも安心してください。実はこの分野については、解法のパターンが決まっているのです。
実際の解き方としては、下記のような段取りで問題を解いていきます。
- 問題を読む
- 設問パターンを考える
- 該当する解法を当てはめる
ご紹介する畑中シリーズについては、各分野ごとに参考書が分けられており、設問パターンついて細かく説明がされています。
正直に言いますが、一般教養で畑中シリーズ以外を選ぶことは絶対に避けてください。
これだけのロングセラー商品を敢えて選択しない理由はありません。「ロングセラー=信頼の積み重ね」です。

また、生来的に数字がダメという方には、下記の高卒程度試験verから始めるという手もあります。
わからなくても全然問題ありません。わかるまで読み込めばいいんです。
私はこちらの高卒程度の参考書から入り、基礎を固めた後、大卒程度の参考書へレベルアップさせていく方法をとりました。
一般知識
一般知識は、ざっくり言うと高校生までに習った範囲が対象の分野です。
一般教養に比べると馴染みもあり、取り組みやすい分野ですが、出題数は少なめとなっています。
1科目あたり2,3つ程度の出題が多く、勉強の優先度としては低い分野となります。
そのため、高得点を狙うのではなく、最小限の努力で及第点を目指すといったスタンスで勉強することが望ましいと考えます。
一般知識①自然科学
自然科学の範囲は、下記の通り。
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
繰り返しますが、一般知識は基礎レベルの問題がほとんどです。
試験範囲も、問題のレベルも大学入学共通テスト(センター試験)を想像してくれればOK。
そのため、参考書としては
- 要点をまとめている本(インプット)
- 基礎レベルの問題集(アウトプット)
を探していくことになります。
生物・地学
「要点をまとめている本(インプット)」ですが、「大学入学共通テスト 生物基礎の点数が面白いほどとれる本」をオススメします。
本の特徴としては口語形式での文章となっており、レビューを見てもその分かりやすさが評価されている良書です。
公務員試験では、すべての範囲をくまなくやる必要はありません。「ある程度」の知識で十分なのです。生物のみならず、一般知識全般でオススメします。
「基礎レベルの問題集(アウトプット)」ですが、一般知識分野では「スー過去」はオススメしません。分厚い上に解説がシンプルすぎるため、学習が非効率になります。
その代わりとなるのが、「ダイレクトナビ」シリーズです。生物・地学の科目では「上・中級公務員試験 過去問ダイレクトナビ 生物・地学 2022年度」が最新刊になります。
左側に問題文と選択肢、右側に回答という構造になっています。
この本のポイントは、左側の選択肢に加工がされており、どこが誤っているのかがわかるようになっています。もちろん、赤シートで隠せば見えないようになっています。
「スー過去」の場合は自分で問題集に書き込む作業がありますが、「ダイレクトナビ」の場合は既に書き込みがされているため、てきぱきと学習を進めることができます。
専門科目であればボリューム不足になりますが、一般知識は効率重視なので、とても適している参考書だと思います。
一般知識②人文科学
人文科学の科目は、下記の通り。
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 文学・芸術
ザ・文系科目という感じですね。
自然科学は理系が余裕でしたが、人文科学では文系の守備範囲の科目になります。
とはいっても、日本史と世界史の両方をやっている人はいないと思いますし、文学・芸術にいたってはみなさん初見のはず。
自然科学より1科目の範囲が広いので、より一層スピーディに吸収できる教材選びが重要になってきます。
それでは、見て行きましょう。
日本史・世界史
日本史、世界史については、高校の頃にセンターや私大入試で選択したが、選択していない方は1年間しかやっていないという人が多いと思います。
私もその一人で、日本史を選択していたため、世界史はほとんどゼロスタートの状況でした。
しかし一方的に捨てるのはもったいないので、全体の流れくらいは押さえておくべきです。
対策として、ノータッチ科目の方については、ブランクを埋めるために漫画から入ることをオススメします。
漫画というものは視覚でも覚えることができるので、ややこしい世界史の全体の流れを目でも覚えることができるので、効果的な勉強方と考えます。
いずれも出題されることが多いのは近現代なので、時間がない場合は近現代に絞って勉強するという手もあります。
地理
地理については、地学・生物と同様ですね。「大学入学共通テスト 地理Bの点数が面白いほどとれる本」で知識を蓄え、ダイレクトナビで演習する。これで十分です。
ちょっとした気晴らしにもなりますので、地図帳の購入もオススメします。ふとした時間に地図帳を眺めて、試験後の旅行に夢を馳せる、そんな時間も必要です(笑)
文学・芸術
文学・芸術については、ほとんどの人が初めて勉強する分野だと思います。
この文学・芸術の分野は100%暗記科目です。知っているか否かの世界。
普通の人は馴染みがなく覚えづらい分野ですので、片手間や合間の時間で十分です。
ハンドブックタイプの問題集「上・中級公務員試験 新・光速マスター 人文科学[改訂版]」を買って、空き時間、寝る前などに目を通すくらいでOK。
「出題される2問のうち、1問知っているものがあればラッキー」といったスタンスでいきましょう。
なお、この光速マスターシリーズについては、日本史等の他の科目も付いていますが、やる必要はありません。
参考書に闇雲に手を出すと、記憶が散らばり本番の際に不必要な箇所で悩んでしまいます。
一般知識③社会科学
社会科学の科目は、下記の通り。時事要素が強い科目です。
- 政治経済
- 現代社会
- 時事
順番に見ていきましょう。
政治経済・現代社会
政治経済については、専門試験でカバーできるので、対策不要です。
教養試験のみの市役所等を受けるということでしたら、生物や地学と同様、「大学入学共通テスト 倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本 面白いほどシリーズ」と「上・中級公務員試験 過去問ダイレクトナビ 政治・経済 2022年度」の組み合わせで勉強することをオススメします。
現代社会については、一般常識みたいなものなので、補助的に参考書を読み流す程度でよいでしょう。
「面白いほど点が取れる」シリーズを流し読みする程度で問題ないでしょう。
時事問題
時事問題は「速攻の時事」一択です。
畑中シリーズと同じ、信頼と実績がある参考書ですね。
時事問題の参考書購入で特に気を付けなければいけないことは、発売の時期です。
タイトルに「何年度試験対応」と必ず書いてあるので、受験年度と一致している版を必ず購入するようにしてください。
※2021年7月18日現在、まだ2022年度(令和4年)対応の問題集は発売しておらず、令和3年度が最新となっております。
専門科目
ここからは専門科目のおすすめ参考書をご紹介します。
基本的に専門科目はスー過去でアウトプット、インプット用で参考書をもう1冊の組み合わせがベターです。
もちろん、暗記系は過去問だけでもOKなので、科目の特性に応じて考えていきましょう。
憲法
憲法は専門科目の中で最も易しく点が取りやすい科目です。
判例の数も限られているので、ゴリゴリ数をこなすより判例1つ1つの理解を深めた方が効率が良いと思います。
解説書兼問題集として、「公務員試験 出るとこ過去問 (1) 憲法 (公務員試験 過去問セレクトシリーズ) 」があります。こちらを何周もこなすと、どんな問題でも解けるようになるでしょう。
もちろん、数をこなしたい!という人はスー過去に取り組んでもいいでしょう。
民法・行政法
民法と行政法はインプット用の参考書として「生中継シリーズ」をおすすめします。
講義形式の参考書でして、とてもわかりやすい文体で書かれています。
アウトプットはスー過去ですね。
民法と行政法は、憲法と比べると難易度が高いです。
特に行政法は初見だと何を言っているのかさっぱりわからないと思います。ですが繰り返し「生中継シリーズ」を読んでいくことで、法律の考え方の根本がわかってきます。
ミクロ経済学・マクロ経済学
経済学の2科目ですが、こちらは「らくらく」シリーズを先に読んでから、スー過去で勉強する流れが良いでしょう。
特に経済学部以外の人は、経済学というクセの強い学問になれるため、何かしらの参考書でインプットを絶対にすべきです。
スー過去だけで大丈夫、という情報はちょっと信頼性に欠けるという印象ですね。入門書でインプットしないと問題と解説の意味がわからないはずです。
行政学・政治学
行政学と政治学は、一般知識と同じく暗記系科目です。
理解力が問われる問題は出題されないので、過去問をひたすら解いて選択肢の選び方を覚えましょう。
もちろん、過去問は定番のスー過去です。
論文試験
論文試験は、「地方上級・国家一般職[大卒]・市役所上・中級 論文試験 頻出テーマのまとめ方 2022年度」がおすすめです。
試験前の1週間~1ヶ月前の時期に、集中して勉強すると良いでしょう。
詳細は「公務員試験の論文対策。1週間の準備で間に合います。」で掘り下げています。
まとめ
最後に、本記事で紹介した参考書を一覧表にまとめて、記事を締めたいと思います。