こんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 公務員からエンジニアになれるのか
- 公務員からエンジニア転職に必要なもの
- エンジニア転職の手順
- 公務員が転職活動で狙うべき求人
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、「30代」「地方公務員(県庁)」「コロナ禍」という三重苦の中で転職に成功し、現在は中堅民間企業でWebディレクターをしています。最近はエンジニアの採用業務も担当中です。
転職活動ですが、プログラミングスクール卒業後に行い、バックエンドエンジニアとマークアップエンジニアの内定をゲットしました。
ちなみにもらった内定は
— はやた@官民のみちしるべ (@nanpa_komuin) March 12, 2021
・社内SE(バックエンド)1社
・マークアップエンジニア1社
・webマーケター(インハウス)2社
でした。
誰だエンジニア甘く見るなとか、公務員は使えないとか言ってたやつ。
そこで今回の記事では、公務員からのエンジニア転職について、実体験を元に解説をします。
公務員からエンジニアへ転職できるのか
結論としては、公務員からエンジニア転職は可能です。
なぜかと言うと、エンジニアは専門職ですが、未経験者が参入しやすい事情があるからです。
IT系は未経験でも転職しやすい業界
IT業界は深刻な人手不足であり、それは数字にもはっきりと現れています。
dodaの求人倍率レポート(業界別)によれば、各業界の求人倍率は下記の通り。(2022年2月現在の最新データ)
全業界:2.31倍
IT・通信:6.82倍
メディア:1.47倍
金融:1.59倍
メディカル:2.23倍
メーカー:1.59倍
商社:1.01倍
小売・外食:0.67倍
サービス:2.74倍
その他:0.65倍
IT系は全業界の3倍の求人倍率です。コロナ前は7倍を超えていました。
もちろん、全てが未経験OKの求人ではありませんが、他業界よりも転職がしやすい職種だということは、間違いないですね。
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ちなみに、さらに細かく職種別で見ると技術系(IT・通信)は「9.68倍」という驚異的な売り手市場になっています。
「元公務員」がハンデにならない
エンジニアはプログラミングスキルと、コミュニケーション能力があれば転職可能なので、前職が「営業」「コンサル」「飲食業」「公務員」いずれでも優劣がありません。
もちろん、説明能力が高いに越したことはありませんが、プログラミングスキルが第一なのは揺るぎません。
エンジニアへの転職で「元公務員」という肩書がマイナスに働かない(プラスにもなりませんが)という点は、非常に大きなポイントです。
公務員からエンジニア転職に必要なもの
公務員からエンジニアを目指す場合、未経験からの転職になるので、経験者と同じようにただ転職活動するだけではダメです。
ポートフォリオ
未経験からエンジニアを目指す場合、ポートフォリオが必須です。
※ポートフォリオとは、エンジニアが持つ「自分の作品」のこと。
一般的に、フロントエンジニアはWebサイトを作成し自身のデザインセンスを示します。
バックエンドエンジニアはWebアプリケーションを作成し、機能を実装できる能力をアピールします。
制作期間は人によりますが、概ね3ヶ月程度ですね。
ちなみに、ポートフォリオが必要なのは個人事業主や経験が浅い人たちになります。
未経験者のスキルはポートフォリオでしかチェックできないからですね。
求められるレベル
現在は未経験者といえど経験者並みのスキルが求められる傾向にあります。
最近はプログラミングがブーム化しており、未経験者のインフレ化が起きていることが理由です。
バックエンドエンジニアを目指すなら最低限、下記の機能を実装している必要があります。
- CRUD機能
- Ajax(非同期通信)
- 外部API連携
- レスポンシブデザイン
- AWSへデプロイ
ちなみに、プログラミングスクールで作った成果物、例えばメルカリクローンやTwitterクローンはダメですよ。皆さん同じ内容になっているからばれちゃいます。
筆者のポートフォリオ
私のポートフォリオですが、Githubに公開していますので、よければ参考にしてみてください。
(※)AWSの利用を止めているので、実際のアプリケーションにアクセスはできません。
特にread.meの書き方は参考になるはずです。
覚悟
突然根性論ですいません(笑)。
ですがとても大事なことです。
公務員からエンジニア転職を目指す場合、様々な批判を浴びることになります。
- エンジニアを甘く見るな
- 民間では公務員は通用しないよ
- 公務員辞めるなんて馬鹿じゃないか
全て私が実際に受けた批判です。
何か言うだけの人たちは責任も何もないので勝手な批判をします。
心が痛む時もありますが、全力で無視してOKです。
私は転職して本当に楽しく仕事ができていますし、あなたにもそうなって欲しいと思います。
公務員からエンジニアへ転職する手順
流れとしては、下記の通り。大体半年くらいの期間で考える必要があります。
- プログラミングスクールに通う(3ヶ月)
- ポートフォリオの作り込み(2ヶ月)
- 転職活動の開始(1ヶ月~2ヶ月)
実際私も、8月下旬にプログラミングスクールに入校し、転職活動が終わったのは翌年の3月でしたので、およそ7ヶ月かかりました。
1. プログラミングスクールに通う
前提として、ポートフォリオはプログラミングスクールの力を借りなければ完成させることはできません。
なぜなら、アプリやサイトを作る際に設計(要件定義・ワイヤーフレーム)から入るのですが、独学ではこうしたそもそもの手順が分からないからです。
また、仮に予備知識があったとしても、時間効率の観点からもプロの手は必須です。
私の経験として、2,3時間悩んで解決できなかったことが、現役エンジニアに聞いたら3分で解決してくれるなんてこともありました。
プログラミングスクールは、講師に質問し放題のところが多いので、コンサルのように使うと良いです。
プログラミングスクールのコースは概ね2ヶ月~3ヶ月のところが多く、ポートフォリオ制作を通じて基礎を学んでいきます。
スクール代は20万〜30万が相場と決して安くはないのですが、転職に成功したら1ヶ月で回収できる金額なので、惜しまずに活用していきましょう。
ちなみに私は侍エンジニアというスクールを利用しましたが、とてもよかったですよ。
プログラミングスクールの情報はこちらにまとめてみましたので、スクール選びの参考にしてみてください。
2. ポートフォリオの作り込み
プログラミングスクールで基本を学んだら、次はポートフォリオの作り込みです。
上記の疑問を感じた方は多いと思いますが、2ヶ月~3ヶ月のスクールではポートフォリオの完成まで到達することはできません。
正確に言えば、数ヶ月のスクールではポートフォリオの基本形作成までは到達できますが、転職活動で使えるレベルには達していないということです。
代表的な例でうと、デプロイですね。
多くのスクールではherokuなどの無料Paasですが、現在の転職市場ではAWSを使ったデプロイがデフォルトになりつつあります。
おそらくこの作業だけで早くても2週間、場合によっては1ヶ月近くかかってしまう人もいるでしょう。(ネットワークまわりの知識まで教えてくれるスクールは少ないです。)
実際私も下記の機能はスクール卒業後、1ヶ月以上かけて実装しました。
- AWS
- Ajax
- テスト(Laravel dusk、php unit)
ちなみにこの話は、私が感覚で話しているのではありません。
転職活動の際に入ったコミュニティなどで情報収集を行い、他のライバルのポートフォリオを閲覧して入手した経験と情報です。
なお、スクールの課題で作る「Twitterクローン」や「メルカリクローン」はポートフォリオではありませんので、誤解せぬよう。
3. 転職活動の開始
ポートフォリオという武器を手にしたら、転職活動の開始です。
戦略としては、未経験からのエンジニア転職に特化したエージェントを活用しつつ、転職サイトも併用して使うことがベターです。
なぜなら、未経験特化ではないエージェントの場合は未経験者に冷たく、真剣に取り扱ってくれないことが多いからです。
特に公務員の場合はなおさらですね。
未経験者に特化した転職エージェントならば、実績も豊富なので効率の良い転職活動を展開することができます。
また、エージェントから斡旋された求人と比較をするために、転職サイトは最低でも1つ登録しておきましょう。
転職活動の時期に入ったら毎日求人を眺める習慣をつけてください。
公務員が転職活動で狙うべき求人とは
実際の転職活動で分かったことを共有しますね。
エンジニアを目指すと「自社開発企業」「受託開発」「SES」などの言葉を聞いたことがあると思いますが、公務員の目線でどこがおすすめなのかを解説します。
社内SEがおすすめ
結論としては、社内SEが狙い目です。
社内SEとは、事業会社のIT部署で働く人たちのことを指します。
トヨタや日産のIT部署で働くエンジニアのことですね。
なぜ社内SEがおすすめかと言うと、働く人たちの人間性が良いからです。
ぶっちゃけた話、エンジニアの人たちは尖った人が多いです。
ですが社内SEの場合、自社の社員とコミュニケーションを密にする必要があることから、調和能力が高い人が多い。
公務員の人間性とマッチしやすいポジションなので、おすすめの職種です。
社内SEのメリット
社内SEは自社の社員がクライアントなので、受託系会社のように厳しい納期はありません。
また、要件定義からコーディングまで、幅広く業務に携わることができます。
そして何より、みんな自社開発企業と受託開発企業ばかり狙っているので、穴場になっています。
転職活動についてよくある質問
公務員からエンジニアへの転職活動について、よくある質問に答えます。
自社開発企業がおすすめではないのですか?
自社開発企業はエンジニアにとって花形企業なのは間違いありません。
ですが、その分難易度はめちゃめちゃ高いです。私自身も、数社で一次面接まではたどり着きましたが、その先には進めませんでした。
もちろん、年齢や社会情勢もあると思うので、絶対に不可能とは言い切れませんが、センスも必要になってくることは間違い無いですね。
自社開発企業にこだわるより、まずはキャリアを積むことを優先すべきと考えます。
SESはブラックですか?
SES=ブラックではありませんが、「変な会社」が多いと感じました。
- 職務経歴書を全く見ていない会社
- 面接前の適性検査でひたすら足し算をやらせてきた会社
- ポートフォリオ不要でいきなり転勤可否の話をしてきた会社
他の会社では上記のようなことは一切なかったので、会社全体の質という意味では低いと言えるでしょう。
給料は下がりますか?
未経験エンジニアの年収レンジは300万~350万が相場です。400万以上はかなりレアケースです。
公務員からエンジニアを目指す場合、給料が下がることは覚悟しましょう。
ただ、エンジニアは業務経験1年を超えると市場価値が跳ね上がりますから、すぐに給料は前職に追いつきますよ。
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- IT業界は深刻な人手不足であり、未経験でも参入しやすくなっている。
- 公務員からエンジニアを目指す場合はポートフォリオの作成が必須。
- 外野からの声に惑わされない、強い覚悟も必要。
- エンジニア転職では「社内SE」が穴場になっている。
公務員からエンジニアって、今までのキャリアと全く異なる方向に進むわけですから、不安があって当然です。
ですが、自分がやりたいことを仕事にできると本当に幸せです!
エンジニアになりたいという思いがあるならば、突き進みましょう!