なぜ公務員のうつ病は民間企業の3倍なのか

公務員のうつ病事情について知りたい人向け。

✔︎本記事の内容

  • 公務員のうつ病データ
  • なぜ公務員はうつ病が多いのか
  • 民間企業のうつ病が少ない理由

こんにちは、はやたです!

私は地方公務員として9年勤務したのち2021年から民間企業へ転職し、WEBに関する仕事をしております。

はやた(筆者)
公務員時代には抑うつ(適応障害)と診断され、3ケ月ほど休職した経験があります。

公務員はうつ病が多いと言われていますが、現場の感覚としてどう感じていたか、また民間の事情はどうなのかなど、実体験に基づいて公務員のうつ病事情を解説していきたいと思います。

公務員のうつ病データ

グラフや表などの統計データ

各省庁がデータを公表しておりまして、公務員のうつ病に関する数字は下記の通り。

  • 国家公務員:3,818人(全体の1.38%
  • 地方公務員:21,176人(全体の2.3%)
  • 民間企業:全体の0.4%

ソース:厚生労働省「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)、総務省「令和2年度地方公務員のメンタルヘルス対策に係るアンケート結果調査概要」、人事院「年次報告書

民間と比べると精神疾患で休職する割合が国家公務員は3倍強、地方公務員は6倍弱と多いことがわかります。

公務員の主なうつ病の原因

休職となった理由ですが、調査結果がありまして下記の通り。

  • 職場の人間関係:60.7%
  • 業務内容(困難事案):42.8%
  • 本人の性格:30.9%
  • 長時間労働:7.1%

総務省「令和2年度地方公務員のメンタルヘルス対策に係るアンケート結果調査概要

最も多いのは人間関係で、その次に多いのは業務内容ですね。

私も抑うつで休んだ時、「業務内容(困難事案)」にカテゴライズされたと思います。

意外かもしれませんが、長時間労働が理由でうつ病になることはそんなに多くないようです。

うつ病が多い年代はない

若い人ほど多そうなうつ病ですが、実は統計上の差異はありません。

【年代別】うつ病で休む人の割合

20代以下:21.7%

30代:24.5%

40代:27.4%

50代:24.3%

そのほか:1.9

やや40代が多いですが、どの年代も20%台半ば近くとなっています。

うつ病が多い部署はある

地方公務員限定のデータですが、下記の通り。

保健福祉:23.7

生活文化:23.2

土木・建築:13.6

財務・財政:10.1

産業振興:9.3

総務:8.8

環境:5.2

企画・政策:2.7

防災:1.1

その他:2.2

「保健福祉」と「生活文化」がずば抜けて高くなっています。

はやた(筆者)
「生活文化」とは国民年金、国保、高齢者医療、児童福祉サービスのことで、障害福祉や高齢者福祉が「保健福祉」にカテゴライズされています。

いずれにしても福祉系の部署はうつ病率が極めて高くなっております。

≫≫関連記事:地方公務員(県庁)の激務部署ランキング一覧

なぜ公務員はうつ病が多いのか

転職できないから

理由のナンバーワンは間違いなく「転職ができない」からです。

後述しますが、会社員は会社が嫌になると転職して新しい会社に行きます。

ですが公務員の場合はそれができません。

なんて理不尽な指示なんだ・・・

なんで俺ばっかり仕事が振られるんだ・・・

脅しみたいなクレームばかりでうんざりだ・・・

こんな疑問や悩みを抱えつつも、公務員には「辞める」という選択肢がありません。

逃げ道がないことが、公務員の精神疾患を増大させている最大の理由でしょう。

異動が多い

異動が多いことは、実はハイリスクです。

うつ病になる最も多い職場の原因は「人間関係」でした。

異動が多いということは、いわゆる部署ガチャでハズレを引く可能性が高まるということです。

もちろん、数年で異動できるという望みはありますが、「最低3年、通常5年」が公務員の異動サイクルなので耐えるにはなかなかしんどい期間だと思います。

過労死レベルの部署が必ず存在する

財政課や障害福祉、高齢者福祉など、慢性的に過労死レベルの残業を行っている部署があることも、精神疾患を量産する原因ですね。

辞令は「君は明日から毎日22時まで残業確定だから」と宣告されているようなものです。

はやた(筆者)
自分が体を壊すのが先か、異動が先かという状況です。

こうした長時間労働を容認する体制は、何年経っても変わっていませんので、うつ病患者を増やす大きな理由だと思います。

民間企業のうつ病が少ない理由

公務員と比べると、民間企業はうつ病になる人がとても少ないように見えます。

再掲
  • 国家公務員:3,818人(全体の1.38%
  • 地方公務員:21,176人(全体の2.3%)
  • 民間企業:全体の0.4%

ソース:厚生労働省「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)、総務省「令和2年度地方公務員のメンタルヘルス対策に係るアンケート結果調査概要」、人事院「年次報告書

私は2022年現在、公務員から会社員となっておりますが、民間で働いたことでその理由がわかってきました。

仕事のストレスが少ない

はっちゃけてる女の子

圧倒的に今の仕事の方が楽で、しかも楽しいです。

自分がやりたい仕事を選んだということもありますが、ある程度自分に裁量権があることが大きいですね。

はやた(筆者)
外野からとやかく言われないだけで、仕事はめちゃめちゃやりやすくなりました。

もちろん、役員からの理不尽な指示や要求はありますが、政治家より数百倍まともな意見なので、最終的には従う気になります。

残業が公務員より少ない

今の会社に入ってからの残業時間は、月間で10時間~15時間程度です。

残業時間はものすごく減りましたね。

周りの社員も20時間前後というところで、60時間を超えるような人はまずいません。

そのため長時間労働によるストレスが少なく、長時間労働が嫌でうつ病になるリスク自体が少ないと言えます。

はやた(筆者)
長時間労働をさせるとうつ病の前に辞められることを経営者はわかっています。

嫌になったら転職するから

記事の途中で少し解説しましたが、民間企業では会社に不満があれば「転職」という選択肢を選びます。

不満がある会社に残るメリットがないからです。

私の会社でも実際に人間関係で悩んだ人が別の会社に行ってしまった、ということがありました。

「仕事はいくらでもあるから、嫌になったら辞めても困らない」

これが会社員、特に専門性の高い人の本音です。

はやた(筆者)
今の会社にしがみついて生きていく、と考えている人は少数派です。

もし、自分が公務員を続けるのシンドイと感じていたら、最後に公務員からの転職に関する記事を載せておきますので、参考にしてみてください。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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