こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
- 公務員と民間の違い
- どちらが向いている?
- 公務員と民間は併願できるのか
- 公務員試験の面接で質問された場合
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、9年間地方公務員として勤めた後に転職し、今では民間企業でWebに関するお仕事をしています。
なので公務員と民間の違いについては、身を以て体験しているところです。
そこで今回の記事では、実体験を元に、公務員と民間の違いについて解説をします。
公務員と民間の違い
大きく3つのポイントがあります。
- 仕事内容
- キャリア形成
- 採用方法
具体的に見ていきましょう。
公務員の仕事内容
公務員の仕事は基本的に「事務」です。がっつり内勤です。
仕事が「席」単位で決まっていて、その席に「人」をはめ込んでいくイメージ。
少々乱暴な言い方をすると、「自分じゃなくてもできること」を各席へと割り振っている感じです。
具体的な仕事としては、契約事務や予算獲得のための資料づくり、補助金の受付~交付の決定などですね。
なので自分が主体で何かを成し遂げるということはほぼありません。
事業を担当することになったとしても、結局その事業を本当に実施するのは「委託業者」なのです。
筆者の事例
筆者が県庁時代の業務を紹介します。
県の障害福祉の計画策定
→数字を考えるのは委託先。実務としては取りまとめがメイン
障害者スポーツ大会の開催
→委託先のスポーツ協会があるので、その管理と当日のアテンドがメイン。
市町村からの問い合わせ対応
来年度予算の資料作成
上記はほんの一部ですが、ちょっとイメージ湧きますでしょうか。
詳細な仕事内容については、「【9年の集大成】公務員生活のすべてを語る」にてまとめていますので、よければ参考にどうぞ。
民間の仕事内容
民間の場合は仕事が席ではなく「人」単位で決まっていきます。
なので基本的には各担当の業務は、その人しかできない仕事になります。
よく言えば裁量が大きく、悪く言えば属人的。
例えば私は会社のSNSマーケティングを仕切っていますが、私がいなくなったら停止か代行業者を見つけて当面しのぐしか方法がありません。
もちろん、職種によるところはありますが、各分野のスペシャリストが寄せ集まっているのが民間企業なので、属人的になってしまいがちなのです。
筆者の事例
今の筆者の仕事を紹介します。
会社ホームページの保守更新
外部への研修講師
社用SNSアカウントの運用
ホームページ分析レポートの作成
DX化の推進
公務員の仕事と比べると粒度が小さく、タスクベースなのがわかりますよね。
スケールは小さくなりますが、イメージはしやすいのではないかと思います。
公務員のキャリア形成
公務員は人事異動で様々な部署を歩んでいき、ゼネラリストとしてキャリアを形成していきます。
また、基本的には年功序列で、ある程度の年齢になったら昇格する仕組みとなっています。
もちろん出世する人とそうでない人の区分けはされており、出世する人は異動の中で「財政課」「人事課」などの激務部署に送り込まれます。
民間のキャリア形成
民間の場合は公務員とは事情が異なり、異動ではなく転職でキャリアを形成していきます。
というのも、民間はどちらかというと「ジョブ型」に近く、同じ会社にいる限り仕事内容はさほど変わらないケースが多いです。
特に中小企業はこの傾向が強く、1年~2年程度で会社を変えて経験値を積み、30歳前後で安定感のある会社に落ち着くパターンが多いです。
採用方法
公務員は公務員試験を受ける必要があります。
一次試験:筆記試験、論文試験
二次試験:面接試験
上記の通り、2回の試験をパスすると晴れて公務員になることができます。
倍率は新卒の場合大体5倍前後ですね。
意外に低そうに見えますが、記念受験者はほぼいない試験なので、倍率以上にシビアな試験になります。
ちなみに、社会人の場合は年齢によって試験形態が変わるので、注意してください。詳細は「社会人から公務員になる手順【2パターンあり】」にまとめています。
どちらが向いている?
公務員に向いている人
根が真面目で、特にやりたいことがない人は公務員向きです。
公務員という職種はとにかく真面目な人が多いので、真面目なタイプの人は人間関係でストレスを感じにくいです。
また、異動が多く色んな仕事に携わるため、やりたいことがなくてもいつか「ちょっと好きな仕事」に巡り合います。
なので「特にやりたいことはない勉強が得意な学生」は典型的な公務員タイプです。
民間企業に向いている人
下記に該当する部分がある人は民間向きですね。
- 成長意欲が旺盛
- 独立願望がある
- スペシャリスト志向
- 自由な働き方に憧れる
特に成長意欲が強い人は、100%民間にした方がいいと断言します。
公務員の仕事は「こなす」ことに終始しがちなので、あまり成長していく実感はありません。
民間企業、特に成長中の企業は毎日のように新しいことが起きるので様々な経験・知識を蓄えることができます。
「わからない」という人へ
ここまで読んで「どっちに向いているかまだわからないなぁ」と感じている人は、公務員と民間それぞれが発信している情報をチェックしてみましょう。
民間では「就活ノート」と言うメディアがあり、「トヨタ」「JR」「JTB」「三井住友銀行」などの大手企業のほか、日本の大多数の企業に関する就活記事を見ることができます。
メールアドレスだけで閲覧できるので、普通におすすめです。
公務員の仕事が気になる人でも、民間の仕事を見てみることで視野が広がりますよ。
公務員と民間は併願できるのか
併願はできるが、矛盾していると思います。
真逆の存在である
「民間と公務員の違い」で解説した通り、両者の仕事内容もキャリアの形成方法も全く異なるものです。
なので併願自体はして良いと思うし、勉強を早めに始めていれば両立できると思いますが、自分の将来像をきちんと考えられているか怪しいと思います。
きちんと仕事内容をリサーチしておきましょう。
公務員試験の面接で質問された場合
公務員試験の面接で「公務員と民間の違いは?」「なぜ民間企業ではなく公務員なのか」という質問はメジャーです。
両方経験しているからこそ言える回答案を作りましたので、ぜひご活用ください。
これらの質問の意味は「なぜあなたは民間企業ではなく公務員を選ぶのか」を引き出すためです。その点を意識した回答を作らないと不合格です。
良い回答案
志望動機とリンクさせる回答がベターです。
公務員と民間企業の違いについて、それぞれお客様がいる点では同じだと思いますが、お客様を選ぶことができるかどうかが、大きな違いだと考えています。
公務員は税金という形で料金を徴収しますので、お客様を選ぶことはできません。
一方で民間企業は価格設定や会員制度、事前審査などでお客様を選別することができます。
私は仕事をするなら特定のイチ個人ではなく、社会全体に役に立つ仕事をしたいと考えております。
もちろん民間企業も社会の利益になる仕事はたくさあると思います。
しかしながら公務員の方がより社会への貢献性が高いと考え、公務員を志望いたしました。
上記にご自身の経験を足して脚色すれば、かなり精度の高い回答になりますよ。
ダメな回答案
公務員と民間企業の違いは、公務員は公共の利益、民間は利潤を追い求める点です。
公務員は公益性が高く、例えば道路の建設や水道事業など利益を度外視した事業を行いますが、民間企業は利益がないと倒産してしまうため、利潤の出る事業を行っています。
社会に奉仕したいと考えており、公益性のある公務員の仕事を志望いたしました。
内容が表面的で志望動機とも絡められておらず、面接官が聞きたい回答になっていません。
「利潤」「公共の福祉(利益)」というワードで違いを説明しようとする人がいますが、そんな表面的なことを知りたいのではありません。
また、民間だって社会の利益になる事業はたくさんあります。(特にインフラ系とか。)
表面的なことを並べただけの回答にならないように気をつけましょう。
まとめ:公務員と民間は別の世界です
公務員と民間はキャリア形成の仕方や仕事内容も完全に違います。
公務員試験では両者の違いを尋ねることが定番の質問であり、別の存在であることが前提です。
ですがこうした違いは、社会人にならないとなかなかわからないと思います。
私自身、公務員と会社員を経験してみて初めて、何が違うのかようやく理解することができたわけですから。
なので悩むこと自体は正しいので、自分できちんと判断ができるように、リサーチは欠かさず行ってくださいね。
民間との違いを答えるためには、民間の仕事をよく知っていないとうまく答えられませんよ。
それでは、今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。