こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
- 公務員試験に穴場はない
- 相対的に受かりやすい試験はある
- 団体職員という選択肢もあり
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、9年間県庁職員として働いた元公務員です。
※筆者が合格した2012年度は、震災直後であり直近10年で最も倍率が高い年度でした。
公務員を目指す際、「受かりやすい職種はないかなぁ」とついつい考えてしまうと思います。
結論としては、穴場探しは時間を浪費するだけなのですが、ネット上には反対意見(穴場はあるという意見)も根強いかと思います。
そこで今回の記事では、公務員試験に穴場はないという話について、具体的な数字を出しながら説明していきたいと思います。
公務員試験に穴場はない
いきなり申し訳ないのですが、公務員試験に穴場なんてものはありません。
「穴場の試験はココ!」という情報を目にしたら、マジで疑ってください。
受験生の層がどの試験でも高い
公務員試験を受ける受験生は、一般的に下記の行動フローを辿ると思います。
5月上旬:東京都庁または特別区
5月下旬:裁判所事務官
6月上旬:国税専門官または労働喜寿監督署
6月中旬:国家公務員一般職
6月下旬:地方上級(自分の地元)
9月下旬:市役所(市役所志望の方)
私立の大学受験と同じで、試験日程がズラされているので、みんな同じところを受験できるんですよね。
だから公務員試験は全落ちか全勝か、結構分かれやすいです。
(私は筆記3つ(特別区・裁判所・地方上級)受けて全部受かりました。)
要するに、他の試験で合格するレベルの受験生が大量にいるわけなので、穴場なんてできるわけがないんですよ。
倍率の低い試験はない
公務員試験は、どこの行政機関も一定の倍率があります。
前述のように、同じ行動パターンで動きますからね。
倍率はいずれも2021年度(令和3年度)で、注意書きのあるものは2020年度(令和2年度)のデータとなっています。
- 国家公務員一般職:3.6倍
- 裁判所事務官一般職:7.2倍
- 労働基準監督署:5.8倍
- 国税専門官:3.1倍
(引用元:人事院HPより算出)
- 東京都:15.4倍
- 特別区Ⅰ類:4.8倍
- 東京都多摩市:13.8倍(令和2年度)
- 静岡県長泉町:13.6倍(令和2年度)
- 千葉県浦安市:22.5倍(令和2年度)
- 東京都教員:3.9倍
- 警視庁:5.7倍(令和2年度)
- 千葉県教員:3.2倍(応募倍率)
- 名古屋市:20.2倍
- 川崎市:38.8倍
- 横浜市:20.5倍
どんなに少なくても3倍の倍率がありますね。
また、多摩市・長泉町・浦安市の3つは試験科目に専門科目がない(教養のみ)役場ですが、倍率がとても高いです。
小さい町役場なら合格しやすいなんてことはなく、むしろ倍率は高いことがわかります。
「公務員試験は無料だから記念受験ばかり」という意見は、あまりにも希望的観測が過ぎると思います。
1日がかりの試験に、やる気のない人がわざわざ応募して受験すると思いますか?
むしろ、何百時間も勉強してきた同じレベルのライバルが多いということで、見た目以上にし烈な戦いだと考えるべきだと、個人的には思います。
教養科目だけも結構しんどい
一般的に、専門科目のある公務員試験の合格には1,000時間の勉強が必要と言われています。
1,000時間の内訳は「教養300時間」「専門700時間」なので、教養だけでも300時間かかります。
教養科目だけでも20科目以上ありますからね。
【教養科目】
- 文章理解:現代文、英文、古文
- 数的処理:判断推理、数的推理、資料解釈
- 社会科学:政治、経済、法律
- 自然科学:数学、物理、化学、生物、地学
- 人文科学:日本史、世界史、地理、文学・芸術
- 時事問題
高校時代の総復習に加え、数的処理という難解な科目をやるわけですから、当然苦労します。
個人的には、専門科目よりも教養科目の方が勉強つらかったです。
≫≫関連記事(学生向け):公務員試験合格に必要な勉強時間と進め方【元公務員が監修】
≫≫関連記事(社会人向け):公務員への転職に必要な勉強時間とは【元県庁職員が解説】
相対的に受かりやすい試験はある
公務員試験に穴場はないことは述べましたが、人気にバラつきはあるので、「相対的にやや受かりやすい試験」は存在します。
データを見れば結果的に受かりやすそうな試験が見えてくる、というわけですね。
国税専門官は倍率が低め
国税専門官は、他の国家公務員系の職種、地方公務員と比較し倍率が低い試験です。
【2021年度の倍率】
- 国家公務員一般職:3.6倍
- 裁判所事務官一般職:7.2倍
- 労働基準監督署:5.8倍
- 国税専門官:3.1倍
国税専門官の知人がいますが、毎日定時で帰っているようなので、実は激務というわけではありません。
大学卒を対象にした試験の中では最低倍率の試験の一つなので、合格しやすい試験だと言えるでしょう。
裁判所事務官の女性優遇はウソ
という意見がありますが、マジでデマです。
下の表を見てください。
受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 | |
男性 | 3,880人 | 478人 | 8.1倍 |
女性 | 3,992人 | 602人 | 6.5倍 |
男性と女性の差は1.6倍。差はあれど、女性優位を謳うほどの差ではありませんね。
団体職員という選択肢もある
どうしても楽して公務員になりたい、というのであれば、団体職員を目指すという手もあります。
団体職員というのは、正確には公務員ではありませんが、主にNPOや公益財団法人など非営利組織で働く人たちを指します。
団体職員への就職方法は、民間企業と同じで就職、転職活動となります。
つまり、書類選考+面接のパターンですね。
筆記試験がない分、負担はかなり小さくなります。
団体職員については、下記の記事で詳細をまとめておりますので、よければ参考にどうぞ。
≫≫関連記事:団体職員はホワイト?待遇は?実態を教えます!【外郭団体の元管理担当が解説】
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 公務員試験に穴場はない。
- なぜなら、全受験生は同じような受験計画を立てるから。
- 教養科目だけの試験はそもそも倍率が高く、勉強時間も300時間は必要である。
- 強いていうなら、国税専門官は比較的低倍率なので受かりやすい職種だと言える。
- 公務員ではなく、団体職員を目指すという手段もある。
少々厳しいことも書いていますが、公務員試験はきちんと勉強すれば必ず合格できる試験です。
抜け道を探すのではなく、正面きって勝負して合格を勝ち取りましょう!
本ブログでは、受験生のための予備校の選び方、勉強のポイントなど、公務員試験に関する記事を複数書いておりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
公務員のリアルも赤裸々に記事化しているので、そちらも見てもらえれば嬉しいです!
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