こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
①基礎理解:公務員試験を知る
②勉強準備:独学か予備校かを決める
③学習開始:メンタルの維持が最重要
④面接対策:筆記試験の前から対策しよう
読者さんへ前置きメッセージ
本記事は、「公務員試験の勉強をスタートしたいけど、何から始めたら良いのかわからないよ」という人向けに書いています。
本記事を読むことで、「公務員試験の概要」「起こすべきアクション」「試験対策の重要ポイント」がわかります。
私自身は追いかけたい夢ができたので、民間へ転職したのですが、そうでなければ普通に公務員を続けていたと思います。
ワークライフバランスの取れた、良い職業だと思います。
そんな公務員になりたい人たちへ少しでも力になれればと思い、本記事を執筆しました。
それでは、早速みていきましょう!
本記事は文量が多いまとめ記事となっているので、ブックマークしてすぐに読み直せるようにしておくと便利です!
①基礎理解:公務員試験を知る
まずは公務員試験の概要からですね。
試験の種類
公務員試験はほとんどの場合「大卒」と「高卒」で試験種類を分けています。
さらに行政機関によっては大卒の中で「総合職」「一般職」という区分けがあります。
国家公務員と地方公務員で言い回しが微妙に違うこともあり、慣れないうちは混乱するかもしれません。
いくつか具体例を示すので、最初のうちに覚えておきましょう。
国家公務員
【大卒程度】
総合職:いわゆるキャリア官僚コース。試験の難易度は一般職よりも高く、合格者は旧帝大や早慶がほとんど。
一般職:一般的な国家公務員の試験。
【高卒程度】
一般職:高卒には一般職しかありません。
地方公務員
【大卒程度】
- 地方上級:県庁、政令市の大卒向け試験。総合職と一般職の区別はない
- 特別区Ⅰ類:特別区、大卒向け試験
- 東京都1類A:東京都庁、大学院卒向けの試験
- 東京都1類B:東京都庁、大卒者向けの試験
【高卒程度】
- 地方初級:県庁、政令市の高卒向け試験
- 特別区Ⅲ類:特別区、大卒向け試験
- 東京都Ⅲ:東京都庁、高卒向け試験
地方公務員の方は自治体によってまちまちで、他には大卒程度を「1種」高卒程度を「3種」という自治体もあります。
受験資格
公務員試験の受験資格はほとんどの場合「年齢制限」「職務経験年数」のみの制限となっています。
この記事は大学生・高校生の受験生に向けて作っているので、関係があるのは「年齢制限」だけですね。
イメージをしやすくするために、いくつか自治体の事例を見てみましょう。
総合職・一般職(大卒程度):30歳以下まで
一般職(高卒程度):高校卒業後2年以内
Ⅰ類・事務(大卒程度):22歳以上32歳未満
Ⅲ類・事務(高卒程度):18歳以上22歳未満
経験者(主事級):60歳未満で、直近10年中で4年以上民間企業に在籍
微妙にニュアンス違いますが、社会人でなければそこまで意識しなくても大丈夫です。
試験科目
大卒程度と高卒程度で試験科目は異なります。
【大卒程度】
教養科目+専門科目
※教員・警察官・消防と一部の自治体では教養のみ
【高卒程度】
教養科目のみ
教員・消防や警察官など、一部の試験では教養のみの場合もありますが、「行政(事務)」の仕事をする場合は専門試験が課されると考えて差し支えないでしょう。
目安勉強時間
教養科目と専門科目の両方が必要な場合、1,000時間が必要となります。
実際、私も受験した際は1,000時間の勉強をして試験に臨みました。
内訳としては、教養300時間、専門700時間といった割合ですね。
過去に自分が何の学部だったのかも重要な要素なので、あくまで目安と受け取ってください。
教養だけなら300時間~400時間程度で余裕ですよ。
詳細はこちらの記事で解説しています。
試験日程
2022年度の試験日程です。
全ての試験は網羅できないので、代表的な試験をピックアップしました。
- 4/24(日)国家公務員総合職
- 5/1(日)特別区Ⅰ類、東京都Ⅰ類B
- 5/7(土)裁判所事務官(総合職・一般職)
- 6/5(日)国税専門官、労働基準監督署
- 6/12(日)国家公務員一般職(大卒程度)
- 6/19(日)地方上級、市役所A日程
- 9月中旬:市役所C日程
- 9/4(日):国家公務員一般職(高卒程度)
- 9/11(日)特別区Ⅲ類
- 9/18(日)地方初級
大卒程度の試験の多くは5月・6月に消化され、9月以降になると高卒者向けの試験が本格化していきます。
また、市役所のC日程を希望する場合は9月に試験、面接は10月以降となるため、C日程の自治体の受験生はかなりの長丁場になりますね。
②勉強準備: 独学か予備校かを決める
公務員試験のイメージがついてきたら、勉強の準備に入っていきます。
早く勉強したい気持ちは分かりますが、まずは準備に専念しましょう。
基本的には予備校を選ぶべき
受験する試験区分関係なく、予備校を選んだ方が良いです。
なぜなら、予備校には試験勉強のノウハウだけでなく、面接のサポートやメンタルのケアなど、総合的なサービスを受けることができるから。
特に面接のサポートは重要で、私は独学だったのですが、面接の練習をすることができず大変苦労した経験があります。誰にも相談できずメンタルも本当にキツかったです。
予備校の相場は20万~30万なので、公務員になった年のボーナスで払ってもお釣りがきます。
教養のみの試験で、面接も自信があるなら独学でも良いかもしれませんが、メンタルのケアがかなりしんどいので、こだわりがない限りは予備校をおすすめします。
よくある質問:バイトは辞めた方が良い?
公務員試験の勉強中は話す機会やストレス発散の場がなくなるので、メンタルをケアする意味で、出来る限りバイトは続けるべきです。
もちろんいつまでも週3で続けるわけにはいかないので、試験半年前くらいから徐々に頻度を減らし、直前期は休ませてもらうことがベストです。
【地方上級が第一志望の場合】
- 大学3年生の冬休み前まで・・・週2~3のペースでアルバイト
- 大学3年生の冬休み明け~春休み・・・週1でアルバイト
- 大学4年生の4月~6月・・・週1又は全休
ちなみに教養のみの場合は、専門ありの場合と比べて半分以下の勉強時間で済むため、最初から最後まで週2~3でアルバイトを続けても大丈夫でしょう。
≫≫関連記事:公務員試験はバイト続けても合格できます【合格者が保証】
よくある質問:おすすめの予備校は?
・値段重視なのか?
・実績を重視したいのか?
・通信型or通学型が良いのか?
こんなことを言ってしまうと予備校に怒られてしまうかもしれませんが、どこの予備校も何年も生き残っている(=実績がある)ので、大して大きな差はないと思います。
大手予備校の比較記事も書いておりますので、よければこちらも参考にしてみてください。
よくある質問:おすすめの参考書は?
予備校に通い始めるとオリジナルテキストが配布されますが、それだけでは到底公務員試験には太刀打ちできません。
市販の過去問題集を併用して使うことが、受験生の間ではデフォルトとなっています。
これは私の頃からずっと変わらない傾向で、過去問の重要性は私以外の公務員も説いています。
公務員試験準備は、どういう勉強法でやるにしても、まず過去問3年分を解いてみてほしい。分からなくていい。
— かもめの家@モテない公務員 (@kamome3home) February 10, 2022
そして解説を読んでみる。
そうすることで何がどのレベルで求められてるかを体感できる。その上で勉強した方がはるかに効率が良い。
意外とみんなこれをやらなーい。
基本的に過去問は「スー過去」シリーズでOKなのですが、憲法など場合によっては他の参考書が良い場合もあります。
どの参考書がおすすめなのか、まとめておりますので参考にしてみてください。
学習開始:メンタルの維持が最重要
公務員試験合格に重要なことは効率の良い勉強法でもテキストでもありません。
メンタルのコントロールが最も重要です。
大学受験以上に強烈な「ぼっち感」
予備校にしても独学にしても、勉強は一人で行うものです。
高校受験や大学受験では学校の仲間や家族がいたと思いますが、公務員試験の場合そうはいきません。
予備校だろうが独学だろうが基本ぼっちです。特に一人暮らしは悲惨です。
上記は私と友人の体験談です。
そして人恋しさから予備校でできた馴れ合いに走り、全滅した人がどれだけ多いことか。
寂しいのは分かりますが、それはみんな同じです。
馴れ合いにならないように気をつけてくださいね。
息抜きするのも勉強のうち
これは私が過去の上司から言われたことですが、まさにこの通りです。
ビジネスマンですら休むときは休むのですから、受験生は尚のこと休めるときは休みましょう。
おすすめは、ルールを作っておくことです。
例えば私の場合、このようなルールを作って勉強していました。
- 週に1回息抜きを入れる
- 息抜きはバスケかデート
- 丸1日は休まない
- 勉強が進まない時は簡単な暗記ものをやる
- それでも手につかない時は走ってスッキリして寝る
ポイントは丸1日の休みを作らず、勉強に切れ目を作らないようにコントロールしたことですね。
あとはどうしても気が乗らない、進まない時があるのでその時のことを考えたルールも作っておくといいですね。
作ったルールは自己暗示するために貼っておくといいですよ。
④面接対策:筆記試験の前から対策しよう
大卒程度・高卒程度の場合は、何もしなければ他の受験生と全く同じラインで試験に臨むことになります。
【典型的なパターン】
・公務員になりたい理由は「安定が欲しい」
・ぶっちゃけこれといったきっかけはない
・筆記試験終わった後に面接のことは考えよう
こんなパターンの受験生が一生懸命、志望動機を取り繕って喋っているのが公務員試験の面接のリアルです。
それでも合格できないわけではありませんが、最近は面接重視の傾向が強くなってきていますので、危ないですね。
筆記試験後に面接対策を始めても「取り繕う」ことはできますが、根本的な対策(エピソード作り)を行うことはできません。
早いうちから面接の対策に取り組んでおくべきです。
志望動機で差をつける
公務員試験の面接は、志望動機とそれに関連した質疑応答が中心で進められます。
公務員になりたい大学生・高校生の中で優劣をつけるためには、熱意しか図る尺度がありませんからね。
本当は安定志向が理由なことは面接官もわかっているので、必然的に志望動機のウェイトが高くなるわけです。
逆に言えば、志望動機さえ凝ったものにすれば合格は保証されたも同然なので、対策箇所がわかっている分、対策しやすいと言えます。
差をつけるエピソードの作り方
もし、今私が受験生に戻ったとしたら、現役の公務員をかたっぱしから捕まえて話を聞きます。
なぜなら、現役の公務員の話はまさに宝の山だからです。
どういうことかというと、話を聞くことによって、
「あなたが興味のある公務員の仕事」がわかる
「エピソードづくり」をすることができる
上記の通り。
例えば、私が9年間公務員をやった中で一番面白かった仕事は何かと尋ねられたら、オリンピックでも税務でもなく、「障害福祉」だと答えます。
特に障害者スポーツの振興は楽しかったですね。
その次は税務ですかね、なんだかんだ県の歳入を担う重要な役割なので。
公務員の仕事はわかりづらいので、実際に働いている人から話を聞かないとイメージをつけられません。
そして聞いた話の中で、必ず興味を引く仕事が見つかります。
そしたらその仕事について自分で調べて、行事に脚を運んでみればいいのです。
前述の私の例なら、
・漠然と県庁の仕事に興味があったので、現役職員の人からどんなお仕事があるのか、直接話を聞きました。
・そこで障害者スポーツの話を聞いて興味を持ち、ボランティア活動に参加したことが公務員を志したきっかけです。
上記の感じですね。
ちなみに「漠然と~興味があって、実際に行動に移しました」という流れは、転職活動でも使える高等なテクニックです。
あとは関連する質問として、
- どうやって話を聞いたのですか?
- 福祉以外には興味がありませんか?
- どんなボランティア活動に参加したんですか?
など想定していればOKです。簡単ですよね。
公務員全体を見ていると、行動力が乏しい人が多いです。
自分自身の行動力のアピールにもなるので、かなり使える手法だと思いますよ。
ちなみに、私自身の公務員生活はnoteでワンコインにて販売しています。
公務員から話を聞く方法
こんな声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。
今では便利なWebサービスができていまして、現役公務員や元公務員からオンラインで話を聞くことができます。もちろん無料です。
具体的な方法は「現役公務員から話を聞く方法」でまとめましたので、こちら参考にどうぞ。
イメージとのギャップを埋めることもできるので、面接対策とは関係なく行動してもいいと思いますよ。
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公務員と民間との情報ギャップをできるだけ埋めたいというのが私の思いですので、お気軽にお問い合わせくださいね。
それでは、読んでくださりありがとうございました。