こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
- 公務員試験に学歴フィルターそのものはない
- 事実上の学歴フィルターは存在する件
- 入庁後と学歴の関係
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている私ですが、地方公務員として9年勤務したのち、現在は中堅の民間企業でWebの仕事をしています。
民間企業では当たり前のように行われている「学歴フィルター」ですが、公務員の場合はどうなのでしょうか。
今回の記事では、公務員試験と学歴の関係、また入庁後に学歴がどう影響するかについても解説していきます。
公務員試験に学歴フィルターそのものはない
公務員試験も民間と同じく「書類提出→筆記試験→面接試験」という流れで進んでいきます。
結論としてはそれぞれの段階で学歴フィルターは存在しないのですが、具体的に見ていきましょう。
①書類選考
書類選考と書きましたが、公務員試験では応募条件を満たしていれば一次試験(筆記試験)まで進むことができます。
国家公務員一般職の場合、下記の通り。
1992(平成4)年4月2日~2001(平成13)年4月1日生まれの者
2001(平成13)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2) 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2023(令和5)年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
裁判所一般職や地方上級など、他の試験でも基本的には同じです。
②一次試験(筆記試験)
筆記試験はマークシートなので、学歴が入り込む余地はありません。
機械が採点しますからね。
論文試験は委託先や職員の採点など様々ですが、原稿用紙に学歴を書く欄はなく、採点者が受験生の学歴を把握できないので、これも影響することはあり得ません。
③二次試験(面接試験)
二次試験では学歴による差別がありそうなものですが、こちらも物理的に学歴が影響できないようになっています。
なぜなら、面接カードに学歴を書く欄が存在しないからですね。
なので面接官は受験生がどこの大学出身かを知ることはできません。
≫≫関連記事:【実例】公務員試験の2次試験(面接)で不合格となるパターン
事実上の学歴フィルターは存在する件
選考の段階で学歴フィルターは存在しないことはわかっていただけたと思いますが、公務員試験には事実上の学歴フィルターともいうべきものが存在します。
筆記試験という名のフィルター
答えは筆記試験です。
特に専門科目がある試験ではほぼ間違いなくフィルターとして機能しています。
公務員試験の筆記試験は偏差値でいうところの60くらいの学生が合格できる水準になっています。
私がいた県庁の場合
私が勤務していた県庁では、同期の学歴が大体下記の割合という感じでした。
旧帝大:数%
早慶上智~難関国立:15%
地元国公立:30%
他県国公立:15%
MARCH:20%
日東駒専:10%
それ以外:なし
地元の国公立組が大半で、3割くらいを占めていました。
他には首都圏の国公立、MARCH以上の大学からのUターン組も多かったです。
もちろん、偏差値が低い大学でも公務員試験に受かっている人はいると思います。
しかし「大学受験で負けた人たちと競争しなければならない」という点はきちんと理解しておくべきでしょう。
出向先の場合
オリパラ組織委員会に出向した際、全国の自治体からの出向者が集められた部署に配属されていました。
彼らの学歴は地元県庁よりもパワーアップしてまして、下記の通りでした。
旧帝大:5%
早慶上智~難関国立:30%
その他国公立:40%
MARCH:25%
日東駒専:なし
これにはびっくりしましたね、都庁から来ていた部長は東大でした笑
入庁後と学歴の関係
記事の後半では入庁後の話をしてみたいと思います。
給料
公務員の給料は学歴ではなく、経験年数で決まっていきます。
入庁後は毎年の定期昇給で給料が決まった額上がっていく制度なので、学歴は関係ありません。
「高卒」「大卒」という区分では昇格するタイミングが異なるので、試験区分による差は生じます。
しかし同じ「大卒」という枠組みの中で、学歴が給料に影響することはありません。
≫≫関連記事:公務員の昇給制度について【毎年7,000円アップ】
出世
出世も給料と同じく経験年数がベースです。
22歳:主事
30歳:主任
38歳:主査
45歳:係長
50歳:課長
55歳:部長
こんな感じですね。
別にどこの大学なら出世しやすいとか、人事課長があの大学だからとかいうことは一切ありません。
大事なのは学歴ではなく学力です
「大学どこだったの?」みたいな話は入庁して3ヶ月もすればしなくなります。
民間企業も同じで、学歴というのは「学んだ歴史」、つまり社会に出るまでには必要ですが、社会に出たら「学ぶ力」の方が重要視されます。
公務員はルーティン業務ばかりと思われがちですが、決してそんなことはなく、むしろルーティンの方が少ないくらいです。
異動も多いため継続して学ぶ姿勢が大事であり、この学ぶ力がある人が出世し、公務員の世界で成功していきます。
ちょっと宣伝です
ここまでの解説で、公務員に関する学歴について解説してきました。
ですが公務員を目指すにあたり、他にも気になることがたくさんあると思います。
「公務員の残業時間が気になる・・・」
「私生活はどんな感じなんだろう・・・」
「公務員の具体的な仕事内容が知りたいな・・・」
上記のお悩みの答えがわかる「【9年の集大成】公務員生活のすべてを語るnote」というnoteを作りました。
有料ですがたったの500円なので、よければチェックしてみてください♪
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 公務員試験は書類選考、筆記試験、面接試験いずれの段階でも学歴フィルターはない。
- しかし筆記試験は難易度が高く、最終合格者にはMARCH以上の高学歴者が多くなる。
- 入庁後は学歴(学閥)による出世差別などはなく、職員の学ぶ力が重視されていく。
公務員試験は学歴や性別といったフィルターのない、極めて平等な就職試験です。
結果として高学歴者が合格してしまう傾向はあるのですが、誰にでもチャンスが開かれた試験です。
努力したら報われる就職試験は公務員試験以外にありませんので、学歴にとらわれずに是非勉強に励んで欲しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
≫≫関連記事:公務員試験合格に必要な勉強時間と進め方【元公務員が監修】
≫≫関連記事:公務員試験予備校の徹底比較(元県庁職員が解説)
≫≫関連記事:公務員試験に独学で3つ合格した際の参考書まとめ