こんな疑問に答えていきます。
- 公務員の労働環境を解説します
- 公務員のメリット・デメリット
- 民間から公務員への転職で後悔するパターン
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、新卒で県庁に入庁→9年間地方公務員として勤務した後、民間企業へと転職した元公務員です。
現役の公務員時代は、県庁の障害福祉部署、オリパラ組織委員会への派遣など、若手公務員の中でもかなり濃い経験を積んできました。
民間と公務員の両方を経験したことで、それぞれの良いところと悪いところがよくわかっています。
今回の記事では、公務員として9年勤務した実際の経験を元に、公務員の労働環境とメリット・デメリットについてお話をしてみたいと思います。
公務員の労働環境を解説します
ぶっちゃけ転職希望者が一番気になるのはこの労働環境ではないでしょうか。
河野太郎氏がぶち上げた霞ヶ関の残業代の未払い問題で、公務員にブラックなイメージを持った人もいるかと思います。
正直、ほとんどの公務員はホワイトでブラック要素はあまりないので、実体験を交えて解説していきたいと思います。
残業事情
下記のツイートを見てください。
ツイッターでは公務員の激務ネガ垢が多いけど、実際のところ
— はやた@数字に追われる元公務員 (@nanpa_komuin) September 11, 2020
・1割が激務(60h/月)
・2割がそこそこ忙しい(30h/月)
・5割は平和(15h/月)
・2割は圧倒的ヒマ(残業なし)
こんな感じじゃないかな
一度激務に行くと抜け出せないのが、公務員の闇ではあるが
これは地方公務員を念頭においたツイートですが、実際のところ激務部署と言われるところは1割程度で、全体の7割はほぼ残業なしの部署です。
国家公務員の場合は、国家総合職かつ本府省勤務だと、テレビで取り上げられるような毎日タクシーのような生活になる可能性があります。
しかし、そういった人たちは少数で、ほとんどは出先機関です。
国税専門官と労働基準監督署の知人からも話を聞くことができましたが、現場の残業は少ないようです。(上級庁である国税庁・厚生労働省はやはり激務なようです)
実際の残業時間などのリアルな数字は、「地方公務員(県庁・市役所)の残業事情【元公務員が暴露】」にてまとめてありますので、よければ参考にどうぞ。
給料事情
公務員は俸給表で給料が決められますが、国家公務員・地方公務員ともに同じような水準になるので年収モデルの想定が容易です。
参考になるのは東京都で、年収モデルを公開してくれています。
25歳主事:3,656,000円
35歳課長代理:6,204,000円
45歳課長:10,174,000円
50歳部長:12,953,000円
(時間外手当(残業代)は除く)
引用元:東京都HP(外部リンク)
東京都(特別区)の場合は地域手当20%なので、実際はこれよりも少ないことの方が多いですね。
例えば、大阪市や横浜市だと地域手当16%、札幌市は3%と。地域によって差があります。
ちなみに、私の場合は30歳の時に残業代こみで665万円でした。(残業代なしなら520万くらい)
みなし残業もなく、民間から公務員へ転職する人の多くは大企業出身のため、「民間時代より給料が減った」「半分になった」という意見が出回りやすいのではと思います。
ちなみに、私の給料明細は「【給料の公開あり】公務員に転職すると給料は下がるのか?」にて公開しております。
人間関係
主観も入るのですが、公務員は民間と比べて職員1人1人が落ち着いた人が多いです。
特に感じるのが、上司の部下への接し方ですね。
民間は上司が部下へ命令口調で話すことや、上下関係にうるさい人も珍しくないと思います。
公務員の場合はその辺がとてもマイルドで、今までに接した多くの上司が部下にも敬語、あるいは命令口調ではない話し方で接していました。
もちろん、人によるとは思いますが、民間企業と公務員の合同体である(公財)東京オリパラ組織委員会への出向中も同じ印象を受けていたので、傾向としては間違いないと思います。
公務員のメリット
続いて、公務員のメリットを紹介していきます
圧倒的に生活が安定する
公務員はとにかく給料に安定感があります。
2020年~2021年11月現在続くコロナの影響で、多くの企業がリストラ、ボーナスカットに踏み切りました。
大企業も例外ではなく、JTBは2021年夏冬ともにボーナスなしです。
肝心の公務員はというと、2021年の人事院勧告(外部リンク)では、給与の引き下げはなく、ボーナスが年額で4.45ヶ月から4.3ヶ月へ「0.15ヶ月」引き下げられただけ。
金額で言えば5万前後ですね。
コロナ以上に景気に影響を与えるショックは想像つきませんが、コロナ禍においても給料が安定していることは、公務員の大きなメリットの1つだと思います。
ノルマがない
公務員の仕事は、基本的にノルマ(数値目標)がありません。
公益事業なので、ノルマの設定をしようにもできないんですよね。
もちろん、税金の部署のように、仕事によっては目標数値が決まっている部署もありますが、公務員全体としはノルマがある仕事は少数です。
休日に仕事は入らない
役所は休日は閉庁しているので、カレンダーの通りの休みを取ることができます。
特に個人向けサービスを提供している会社だと、休日に社員チャットなどで連絡が入ってしまい、対応をせざるを得なくなった経験がある人は少なくないと思います。
役所は建物が閉まっているため、休日に仕事が急に入るなんてことはありません。土日祝きっちり休むことができますよ。
公務員のデメリット
メリットがある一方、デメリットもあります。
インセンティブがない
公務員のメリットとして給料の安定性を上げましたが、逆もまたしかり。
いくら仕事で成果を出そうが、給料に大きな差は生じません。
人事評価で上位1割に入っていても、ボーナスが10%増えるとかのレベル感です。
出世して課長職になっても、残業バリバリの係長の方が収入が上なんてこともザラ。
民間から公務員への転職を考える際は、安定感と引き換えにインセンティブを失うことは理解しておきましょう。
部署ガチャ問題
公務員は基本的に大規模組織なので、部署ガチャが激しいです。
都道府県庁だと職員数が5,000人以上も珍しくないので、立派な大企業なんですよね。
しかも、公益事業なので部署によって仕事のカテゴリーが完全に異なるという特殊な環境。
ある部署ではなんでも物品購入できるし、残業代も全額支給。
1つ上のフロアの部署ではサービス残業が横行、なんてことも珍しくありません。
部署によって仕事の量や予算額がピンキリなのですが、こればっかりは天に任せるしかありません。
仕事ができる人は忙しい部署を回される傾向があるので、特に転職者は要注意です!
職種によっては転勤が多い
同じ公務員でも、「都道府県庁」「国家公務員」「警察」など、引越しを伴う転勤が多い職種も結構あります。
勤務先は都道府県だと県単位、国家公務員の場合は「関東」「東海」などのエリア単位ですからね。
私もかれこれ9年で4回、転勤を伴う異動を経験しましたよ。
一定の場所にとどまりたいなら、市役所を選ぶことが無難ですね。
民間から公務員への転職で後悔するパターン
今ままでの内容を踏まえて、公務員へ転職しても後悔する人のパターンを解説します。
成果を追い求め続けたい人
デメリットの部分で解説した通り、公務員は成果をゴリゴリ求める業種ではありません。
加えて、何か大きな成果を出したとしても、給与アップというインセンティブもありません。
隣でだらだら仕事しているオジサン職員・オバサン職員の方が給料が5割高いなんてこともある世界です。
ガツガツ仕事をして成果を出したいタイプの人だと、自分のやる気と結果のギャップに苦しむので、転職を後悔するでしょう。
人間関係が嫌で転職したい人
人間関係は民間に限らず、公務員でも起こりうるトラブルです。
今いる会社でのパワハラやギスギスした人間関係が嫌なら、同業他社へ転職した方が遥かに手軽です。
公務員は確かに優しい人が多いですが、中には厳しい人もいますので、人間関係でお悩みなら他社への転職や配置転換を検討した方が良いでしょう。
公務員の仕事が楽だと思っている人
上記の質問を私がされたら、「今の会社の仕事の方が楽」だと答えます。
公務員の仕事は責任が重たいので、1つ1つの仕事にプレッシャーがあります。
例えば課税徴収の仕事。
公務員の仕事の中で、絶対にミスが許されない仕事の1つです。
もし間違って計算しようものなら、最悪の場合ニュースになってしまうこともあります。
民間だと最悪の場合「返金」ですが公務員の場合「賠償」です。
なので多くの職員は対行政訴訟の保険に入っていますよ。
差し押さえの仕事も、現場に行くとものすごい罵声を浴びせる人もいますし、精神的プレッシャーは公務員の方が重たいです。
公務員から話を聞くことがベストです
今回解説した内容は、公務員経験者なら誰しも知っていること。
他にも公務員のいいところ、悪いところはたくさんあります。
民間から公務員になった人、あるいは公務員から民間に行った人の話を聞く方法がありまして、別記事にて解説しております。こちらぜひ試してみてください。
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 公務員はブラックだという噂もあるが、7割の部署が完全にホワイト。
- 公務員は給料が景気に左右されない安定感が強みだが、同時にインセンティブがないという弱みもある。
- 公務員の仕事は公益性が高いため、民間よりも仕事に重みがある。
公務員のいいところも悪いところも満遍なく触れてみました。
私自身、公務員から民間へ転職していますが、公務員に不満があって転職したわけではありません。
民間と比べて公務員の方が良い点もたくさんあるので、民間から公務員を目指したい方にはぜひ公務員を目指して欲しいと思います。
具体的な公務員への転職方法については、「社会人から公務員になる手順【2パターンあり】」にまとめてありますので、参考にしてみてくださいね。
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