お疲れ様です、公務員大学 総長のはやたです。
今回のテーマは、「公務員の有給の取りやすさ」です。
世間一般では公務員は有給が取りやすいイメージがありますよね。
しかしその逆に「公務員はブラックで全然休めない」ということもネットではささやかれています。
公務員になったばかりの新人さんや公務員を志してる受験生は、一体どれが真実なのかわからず困ってしまいますよね。
今回の記事では、私の公務員生活での実際の有給取得経験を元に、公務員の有給の取りやすさについてお話したいと思います。
公表データ
公務員の有給休暇の取得状況ですが、総務省が毎年公表している「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」というものがありますので、そちらを参照しますと、下記のようになっています。
区分 | 国 | 都道府県 | 政令市 | 市区町村 | 民間 |
平均日数 |
14.4 (13.8) |
12.1 (11.6) |
13.8 (13.3) |
10.7 (10.2) |
9.3 (9.0) |
(引用:平成29年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果)
- 国家公務員の平均有給取得日数:14.4日
- 地方公務員の平均有給取得日数:12.2日((12.1+13.8+10.7)÷3)
1年間に付与される有給取得日数は20日間(新規採用時は15日間)ですから、かなり高い数字ではないのでしょうか。上記は有給休暇ですので、これに加えて夏季休暇(5日間)もあります。ちなみに夏季休暇の取得はほぼ義務化されており、100%の消化を求められます。
特に政令市は、地方公務員の中では給与が高く、有給取得日数も多いので恵まれた環境なのではと思います。
ただし、当然ですが国家公務員ならば総合職と一般職、地方公務員ならば本庁と出先で大きく変わりますので、参考値とすることがよいでしょう。
現役公務員の実態
休暇の取得実績
2012年に入庁し、2019年までの8年間での有給取得実績は下記のとおりです。
1年目 | 出先/税務系 | 15日 |
2年目 | 出先/税務系 | 20日 |
3年目 | 本庁/福祉系 | 3日 |
4年目 | 本庁/福祉系 | 11日 |
5年目 | 出向/効率病院 | 11日 |
6年目 | 出向/公立病院 | 17日 |
7年目 | 出向/公財 | 15日 |
8年目 | 出向/公財 | 4日(2019.10現在) |
※上記実績は有給休暇のみで、夏季休暇は含んでおりません。
部署間の差が大きい
実績をご覧になっていただくとわかると思いますが、忙しい部署ではほとんど有給は取得できていません。
特に3年目の本庁(福祉部局)時代は初めての本庁ということもあり、年間の残業も700時間を超え、死んでしまうのではないかと思いました。3日間の有給ですが、すべて体調不良ややむを得ない時に使ったものです。
4年目には少し慣れたこともあり、11日間の有給を取得できています。本庁では大体、10日前後を消化している人が多い印象でした。幹部や若手は積極的に休みを取る(若手は取ることを奨励される)一方で、業務量が多い係長職の職員は、あまり休めていなかったと思います。
逆に1年目・2年目の頃は出先でしたがとても暇で、月に1日~2日は休みを取っていました。加えて夏季休暇もありましたから、ほぼ1か月分の勤務日数を休めた計算ですね。出先ではほぼ全職員がそんな雰囲気でした。
このように、公務員の有給の取得のしやすさは部署によって大きく左右されるということになります。
仕事ができる人ほど休む
長い公務員生活と、民間への出向経験の中で分かることがあります。
それは、仕事ができる人ほどよく休むということです。
逆に言うと、仕事ができない人ほど有給を使わない傾向にあります。
短期間の照会もの・予算編成・議会への対応など、公務員の仕事は、思っていたより忙しいことが多いと思います。
でも、多忙さと有給が取得できるかどうかは、別の話です。
3年目の本庁福祉部署時代の頃、私は3日しか有給を取ることができず、すべてが体調不良などやむを得ない事由に基づくものでした。
一方で、業務量がどう考えても私の2倍以上はあるであろう主査の人は、15日間の有給を取っていました。もちろん、夏季休暇もフル消化です。
激務部署ですから、残業は常にありました。ですがメリハリをつけることを徹底しており、遅くまで残業するか定時帰りかを徹底していました。仕事をきちんとこなして休みを取っていたことで、上司からの信頼も厚く、快く休暇を取れておりました。
逆に仕事が全くできない職員もおり、中には夏季休暇を申請しながらも、こっそり出勤している人もおりました。(土曜日に出て月曜日に休んだりも・・)
この人はメリハリがなく、常に残業していたのですが、正直何をしていたかよくわかりません。
公務員の仕事は、大体どこでもそれなりに忙しいものです。その中で、うまく休みを取り、出勤中のパフォーマンスを向上させることも、行政マンとして必要な資質なのではと強く感じます。
まとめ
- 国家公務員の有給取得平均日数:14.4日(平成29年度)
- 地方公務員の有給取得平均日数:12.2日(平成29年度)
- 部署によっては20日間+夏季休暇5日間をフル消化できるが、激務部署だとほとんど有給が取得できないこともある。
- 仕事ができる人ほどメリハリをつけて有給を取得する。逆に仕事ができない人ほど、忙しさを理由に有給を取らない傾向にある。
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