

こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
- 公務員試験の難易度を考察(勉強時間・倍率・学歴)
- 職種別の難易度の差
- 公務員試験合格のヒント
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、9年間県庁職員として働いた元公務員です。

※筆者が合格した2012年度は、震災直後であり直近10年で最も倍率が高い年度でした。
公務員試験は難関試験だとよく言われますが、実際のところどのくらい難しいのか、気になりますよね。
そこで今回の記事では、公務員試験の難易度について、倍率や勉強時間など様々な観点から解説したいと思います。
公務員試験の難易度を考察する
公務員試験の難しさについて、下記の3点から分析してみました。
- 合格に必要な勉強時間
- 合格率(倍率)
- 合格者の学歴
ちなみに、ここでいう公務員試験とは「国家一般職」「地方上級」「国税専門官」などの教養と専門科目がある試験を想定しています。
もちろん国家総合や教養のみ試験も触れますが、メインは一般的な公務員試験の話になりますので、その点は理解しておいてください。
勉強時間から考える
公務員試験の合格には、ずばり1,000時間の勉強が必要です。
1,000時間と聞くとパンチが効いた数字のように感じますが、実はそんなことはありません。
大学受験なら日東駒専を受けるのと同じレベル感です。
公務員試験を志す方々の多数は、日東駒専以上の方だと思いますので、要は過去の自分がすでにクリアしてしまっているんですよね。
もちろん、偏差値がもう少し低い学校に通われている方も、勉強すれば普通に合格できますよ。
同じレベルの資格試験
公務員試験は、国家資格の中では平均的な存在です。
- 司法試験、公認会計士:4,000時間超
- 税理士、司法書士:3,000時間
- 中小企業診断士:1,000時間
- 社労士:800~1,000時間
- 行政書士:500~1,000時間
- 簿記2級:350~500時間
(資格Timesより引用)
資格試験のトップである司法試験や税理士と比べると、実に1/3以下の労力で合格できます。
公務員試験は難易度が高い試験であることは間違いありません。
ですが、難関資格の中では平均的な存在だということがわかると思います。
≫≫関連記事:公務員試験合格に必要な勉強時間と進め方【元公務員が監修】
合格率(倍率)から考える
2021年度の公務員試験で、公表されている数値は下記のとおり。
実はそんなに高くないんです。
試験名 | 一次受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
特別区Ⅰ類 | 9,009人 | 1,881人 | 4.8倍 |
千葉県 | 699人 | 129人 | 5.4倍 |
裁判所一般職 | 10,715人(*) | 1,080人 | 9.9倍 |
国家一般職 | 27,317人(*) | 7,553人 | 3.6倍 |
国税専門官 | 13,163人(*) | 4,193人 | 3.1倍 |
教員(東京都) | 10,226人 | 2,640人 | 3.9倍 |
警視庁 | 3,866人 | 808人 | 4.8倍 |
(*)一次受験者数の公表がないため、申込者数
概ねどんな試験であっても、5倍前後となっています。
もちろん、探せば皇宮護衛官や衆議院事務局のように10倍を軽くこえる試験もありますが、かなりマニアックな職種なので・・・。
しかも、国家公務員系は申込者数ベースですからね。
大体2割強の方が一次試験を受験しないので、実質倍率はもっと低くなります。
倍率はそんなに大したことがないということがわかりますね。
*2021年9月現在、新型コロナの影響で応募者数に変動がある自治体があります。特に東京都は2021年度の採用を通常の半分以下まで絞り、倍率が跳ね上がっていますので、志望先の情報はチェックを忘れずに。
入庁後の学歴から考える
3つ目は主観的な話になってしまいますが、公務員の学歴についても触れてみたいと思います。
(私は県庁職員だった経歴があるのですが、出向もしたので国家公務員の学歴についても把握しています。)
- ボリュームゾーンはMARCH・地方国公立(旧帝大除く)
- 次いで日東駒専
- たまに早稲田慶應、旧帝大などが混じっている
大体上記のイメージですね。
出向先では20人のチームのうち、3人が私と同じR教大学でした笑。
前半の大学受験の話と、相関性があると思いませんか?
最近は地方の町役場や市役所でも、高学歴者が増えているようですよ。
合格者の学歴の話であって、学歴フィルターや差別があるわけではありません。そのあたりは、「公務員試験と学歴の関係とは【入庁後の解説もあり】にて詳細を解説しています。
職種別の難易度の差
公務員試験には様々な種類がありますが、試験別に難易度の差はあるのでしょうか。
国家総合職以外はだいたい同じ
結論としては、国家総合職、裁判所事務総合職のような「キャリア官僚」を目指す試験でない限り、難易度は変わりません。
前述の通り倍率も大きく変わりませんし、何より受験生の層が同じですからね。
少し視点を変えて欲しいのですが、公務員試験の受験先って大体みんな同じなんですよ。
5月:特別区or東京都庁、裁判所事務一般職
6月:国税専門官、国家一般職、地方上級
ほとんどの受験生が上記のパターンだと思います。
なので地方公務員と国家公務員のどっちが受かりやすいか、といった議論は不毛なわけです。
競争相手が同じなら、同じ難易度なのは当たり前ですから。
教養科目のみの試験は難易度低い
教員や警察官のように、教養科目だけの試験は、公務員試験の中でもめちゃ簡単な部類です。
なぜなら、教養科目の場合は勉強時間が300時間程度で済み、倍率も高くありませんので。
つまり、準備をすれば確実に受かる試験なので、きちんと計画を立てて受験に臨みましょう!
公務員試験合格のヒント
得意分野で勝負する
公務員試験のボーダーラインは6割前後です。
そのため、6割というラインより少し上、7割の得点をいかに取るかという話になります。
公務員試験は科目数がとても多いので、苦手な分野は「正解もらえればラッキー」、得意分野は絶対に外さないという戦略が有効です。
例えば、私の場合ですが、暗記が得意でした。
なので「憲法・行政法・政治学・行政学」といった暗記色の強い科目に偏重して勉強し、判断推理のような知能科目は5割でOK、という戦略にしました。
苦手な科目を勉強するには時間がかかるので、配点ウェイトを考えつつ、戦略を考えることが重要です。
≫≫関連記事:「公務員試験のボーダーは6割」の意味を解説します
予備校か独学かは好みでOK
予備校か独学か、決めかねている人もいると思いますが、ぶっちゃけ自分の好みでOKです。
もっと具体的に言うなら、独学でやり切りたい人は独学を選んで、それ以外は予備校という感じ。
基本、予備校で勉強することにデメリットはあまりないので、こだわりなければ予備校で大丈夫です。
それよりは予備校の数が多く、予備校選びに悩むと思うので、そこを早くから取り組んだ方がいいかと思います。
≫≫関連記事:公務員試験予備校の徹底比較(元県庁職員が解説)
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 公務員試験は確かに難しいが、大学受験の延長のレベル感である。
- 公務員試験は受験生が同じ試験スケジュールを組むため、難易度に差が生じない。(国家総合職など特別な試験を除く)
- 予備校か独学で迷ったら予備校でOK
公務員試験が難関試験だと言うことに異論はありませんが、ちょっと難しいレベルの試験だということが感覚的に理解できたでしょうか。
公務員試験は学歴フィルターがないので、時間をかけて勉強すれば誰でも合格できる平等な試験です。
辛いこともあると思いますが、負けないで努力を続けて合格を勝ち取ってくださいね!!
社会人から公務員を目指す方へ
社会人から公務員を目指す場合、学生とは異なる時間や金銭的な制約があると思います。
社会人向けの記事も書いておりますので、是非参考にしてみてくださいね。
≫≫関連記事:【給料の公開あり】公務員に転職すると給料は下がるのか?