こんな疑問に答えていきます。
✔︎本記事の内容
- 公務員試験の合否と学歴の関係
- 入庁後の学歴の扱い
- 学歴ではなく「試験区分」の違いはある
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、9年間県庁職員として働いた元公務員です。
※筆者が合格した2012年度は、震災直後であり直近10年で最も倍率が高い年度でした。
公務員試験自体は学歴にかかわらず受験できますが、合否に関係があるのか。入庁後に学歴がどんな影響を及ぼすのか気になりますよね。
今回の記事では、公務員試験と学歴の関係について、入庁後の話も含めて解説したいと思います。
公務員試験の合否と学歴の関係
結論:学歴と合否は関係ない
ずばり、公務員試験の合否に学歴は一切影響しません。
そもそも、筆記試験はマークシートですからね。
なので、東大もFランク大学も同じ土俵で勝負することができます。
民間のように学歴フィルターがないので、とても平等な試験です。
関係はないが相関はある
公務員試験はそれなりに難しい試験になるので、学歴差別はないものの高学歴者が受かりやすい傾向にあります。
元々勉強が得意な人たちですからね。
出向経験もある私の経験則では、公務員の最終学歴は概ね下記の通りです。
- ボリュームゾーンはMARCH・地方国公立(旧帝大除く)
- 次いで日東駒専
- たまに早稲田慶應、旧帝大などが混じっている
地元の秀才が集まってくるイメージですね。
国家総合職はマジで旧帝大、早慶の巣窟です。
総合職は凡人が入る余地はあまりないのかもしれません。
MARCHから受かった友人もいますが、学校のパンフ1面を飾るほどの快挙だったそうです。
学歴ではなく「試験区分」の違いはある
どこの大学を卒業したかうんぬんではなく、最終学歴が「大卒」か「高卒」で受けられる試験が変わってきます。
大卒と高卒の違い
言い方は行政機関ごとに違いますが、公務員試験は大卒者向けの試験と高卒者向けの試験に分かれます。
大卒者は高卒者の試験を受けられませんし、高卒者は大卒試験を受けることはできません。
大卒者向けの試験は「上級」「I類」、高卒者向けは「初級」「Ⅲ類」と呼ばれることがほとんどです。
大卒者向けの試験を受けるか、高卒者向けの試験を受けるかで、試験の中身はもちろん初任給や出世のスピードに差が出ます。
これは当たり前の話で、学歴差別ではなく、「区別」の話です。
大卒者の中でも「国家総合職」「国家一般職」という区分けがあるわけですからね。
給料の比較
大卒と高卒で初任給にどの程度差があるか、見てみましょう。
高卒:163,600円
大卒:199,300円
高卒:176,500円
大卒:220,400円
いずれも地域手当は込み。住居手当など諸手当は除く。
初任給は3万~4万程度差がありますね。
とはいえ、公務員は1年で7,000円程度昇級していきますから、高卒者が大卒者の年になると同じになるように設計されています。
公務員の給料について知りたい方は、下記の記事を参考にどうぞ。
≫≫関連記事:【給料の公開あり】公務員に転職すると給料は下がるのか?
≫≫関連記事:公務員の昇給制度について【毎年7,000円アップ】
入庁後の学歴の扱い
実際に公務員として働き始めた後、キャリアや給料に学歴が反映されるのか、解説します。
出世と学歴の関係
学歴によって、出世のスピードに差がつくようなことはありません。
そんなことが認められたら、何のための人事評価かわからないですよね。
公務員の場合、大体の組織で年功序列で昇格していきます。
- 18歳~29歳:主事(一番下)
- 30歳~35歳:主任
- 36歳~43歳:主査
- 44歳~50歳:係長
- 51歳~:課長
- 55歳~:部長以上
ただし、前述の通り「試験区分」による差はありますので、学歴と試験区分を混同しないようにしましょう。
役職については、「地方公務員の階級(役職)について」でも解説しておりますので、よければ参考にどうぞ。
給料と学歴の関係
給料と学歴ですが、こちらも関係はありません。
なぜなら、公務員は初任給、定期昇給・昇格の幅が全て法律(条例)で決まっているので。
(昇給区分及び昇給の号給数)
第15条の3 昇給日前の直近の評価終了日以前1年間の人事評価の結果がある職員の勤務成績に応じて決定される昇給の区分(以下「昇給区分」という。)は、当該職員が次の各号に掲げる職員のいずれに該当するかに応じ、当該各号に定める昇給区分に決定するものとする。(中略)
(1) 勤務成績が極めて良好である職員 A
(2) 勤務成績が特に良好である職員 B
(3) 勤務成績が良好である職員 C
(4) 勤務成績がやや良好でない職員 D
(5) 勤務成績が良好でない職員 E
(静岡県人事委員会規則:職員の給与に関する規則より抜粋)
上記は静岡県の規則の抜粋です。
AからEまでの評価があり、評価によって昇給の号級が決まるわけです。
ちなみに、公務員はどこも同じような仕組みとなっており、ほとんどの場合は「C評価」です。
DやE評価は欠勤しまくるヤバい人、病欠期間があるなど、特殊なパターンなので普通にしていれば安定して昇級できますので、安心してください。
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 公務員試験の合否と学歴に直接の関係はない。
- 公務員試験は難関試験なので、高学歴者で受かる人が多いという「傾向」がある。
- 出身大学ではなく、「大卒」「高卒」という区分けにより受験できる試験が異なる。
- 入庁後は学歴差別はないが、試験区分によって初任給や出世に差がある。
公務員試験も入庁後も、学歴による差別はないことがわかったと思います。
一方で大卒か高卒かによって試験区分が異なるので、ここの違いは理解しておいて欲しいと思います。
公務員試験はとても平等な試験であり、入庁後も同様にフラットな組織です。
今回の記事で得た知識がモチベーションとなり、勉強を頑張ってもらえれば嬉しいです!!
最後に、公務員試験に関する記事をまとめておきますので、よければぜひ参照してみてくださいね。
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≫≫【2021年8月】公務員試験予備校の徹底比較(元県庁職員が解説)
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独学の方向けに、私の勉強計画とノウハウをまとめた「公務員試験の独学ロードマップ」というnoteを作りました。
また、独学者が使用すべき参考書については「【2021年7月】公務員試験に独学で3つ合格した際の参考書まとめ」にてまとめております。
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