ついこの間、同じ職場の後輩(遺憾ですが男)と、飲みに行ってきました。
後輩の彼は通算4年目の職員。現在の職場は2つ目という若手職員です。口が上手く、生粋のナンパ師といっても過言ではないほどの才能を持っています。
彼の前職場は県庁トップクラス激務部署で、残業1,500時間/年、最大50連勤というD通顔負けの環境下で働いていたタフガイです。
そんなタフガイ中のタフガイな彼ですが、仕事で係長から怒られることが多く、悩んでいるというのです。
私も同じ道を歩んだことがあるので、彼の気持ちがよくわかりました。
皆様も、いかがでしょう。このように感じたことがある方、多いのではないでしょうか。でも、安心してください。決してそれは悪いことではありません。良くも悪くも、日本のサラリーマンが通らざるを得ない道なのです。
なぜ、自分はよく怒られるのか、その意味をご説明したいと思います。
上司はなぜ部下を怒るのか
現役のサラリーマンや公務員の方であれば、誰しもが感じたことがあるのではないでしょうか。
仕事が細かい上司が来ると、今までスルーだった仕事も滞るようになり、業務にも影響が出ますよね。しかし、上司はそんなことは百も承知のはず。それなのに、なぜあなたのことを毎日叱責するのでしょうか。
その理由は、あなたに成長して欲しいからです。
部下の成長による上司のメリット
もう少し踏み込んで言うと、あなたが成長することで、将来的には会社の利益となるので、あなたに成長して欲しいのです。上司の立場から見ると、会社のリソース=あなた、の将来を見込んで、叱咤激励をしているのです。
もう一つの理由として、部下が成長すると、その分上司の業務が楽になるというメリットもあります。エース級の人の資料はチェックが甘いですよね。アレです。
一度信頼できると判断できれば、あとは部下の自由にやらせても問題がないということになり、自分で指示を出さずとも部下の判断で動けるようになれば、上司としてはしてやったりです。
あなたのことが嫌いだから、怒るのではありません。あなたに期待しているから、あなたは上司が見込んだ社員(職員)だから心を鬼にして怒っているのです。
本当は、怒りたくない上司
上司は、怒りたくて怒っているわけではありません。誰だって、怒ると気分が悪くなります。怒っている間は、自分の仕事が止まります。しかしそれでも、あなたの成長が大事だから、怒っているのです。
また、本当に効率のみを求めるならば、仕事ができない社員にやらせるよりは、他の有能な部下にやらせるか、究極的には自分でやってしまえばいいのです。
それでもなお、仕事を取り上げられずに任せられるということであれば、それは期待の表れなのです。よく怒る上司ではあるものの、聞けば答えてくれ、大事なポイントは抑えて自分が進むべき方向を導いてくれたりしませんか?
厳しい叱責の中にも「指導」が隠れている上司は、よい上司です。貴重な自分の時間をつぶして、部下の指導をしているわけですから。(もちろん、大声で怒鳴る、人前で罵倒するといった行為はパワハラです。)
しかしながら、中には全て自分でやってしまうような上司もいます。部下は完全に下請けとなり、裁量がある仕事はやらせてもらえません。そのような部下は、怒られることはありませんが、その上司が異動した後、指示待ち人間だと指摘されることは、容易に想像がつくと思います。
上司に怒られることは一人前になるプロセスの1つ
スポーツをやっていた方であれば、「怒られるうちが花」という言葉、聞いた事があると思います。部活の監督が期待する新人・エースほど厳しくあたる、というケースですね。期待に応えられない選手は、いつか監督に切られますよね。
本当に日本の学生生活は社会の縮図だと思います。社会人では、期待に応えられない社員(職員)は、最終的に仕事を回されなくなり、干されます。
あなたは上司に見込まれており、期待の現れとして上司から矢継ぎ早に指示が飛んできます。しかし、そこで成長した姿を見せなければ、いつかは見切りをつけられてしまいます。
怒られれば、いい気分はしません。悔しい、辛いといった負の感情が出てくると思います。しかし、そこでただ黙って耐えるだけでは、何の解決にもなりません。その辛い気持ちを、行動力へと変換してください。
なんで怒られたのか、仕事ができるあの人が作る資料と何が違うのか、徹底的に見て聞いて考えることが必要です。そうした努力は必ず成果となり、報われます。そして不思議なことに、部下の小さな変化に上司は気付くものなのです。
上司に叱責される時代というものは、若手ならば必ず通る道です。ですがそれは、仕事ができるようになるまでに、1人前になるまでに通らなければならないプロセスの1つなのです。
怒られない社員は、優秀とは限らない
頭ではわかっていても、周囲に自分と年の近い仲間がいる中叱責されると、どうしても気持ちがナイーブになってきてしまいます。
しかし、そのようにネガティブに考える必要はありません。
繰り返しますが、あなたに期待しているから、叱責しているのです。期待されていなければ、そもそも相手にすらされません。
スポーツの話に戻りますが、監督はエース、レギュラー以外の補欠選手に細かい注文をつけますか?万年補欠選手が練習中ミスをしたとこで、いちいち怒りますか?そんなことはしませんよね。はじめから期待していませんから。
怒られない同期を見て、羨ましく思ってしまうこともあるでしょう。しかしその実態は、
と上司は心の中で思っているのです。
ですから、同期のアイツは怒られずに自分だけ怒られていたからといっても、劣等感を感じる必要はありません。むしろ、あなたは上司から直接仕事のノウハウを盗んでいるわけですから、同期と差をつけている側です。
著者の実体験
私の実体験を少しお話しします。
私のチームは、基本的に2人1組の体制でした。そんな中私は、先輩にあたる職員から毎日のように怒られていました。
ほぼ1年近く怒られていたのですが、ある時からパタっと怒られなくなりました。
加えて、細かく指示をされることも減ってきました。必死にトライ&エラーをしていたうちに、及第点の仕事ができるようになっていたのです。
最初は1から10まで細かく出ていた先輩の指示は、その頃には
こんなざっくりとかわいいものに(笑)。完全に同じ土俵とはいかなくとも、ある程度は任せられると思ってもらっていることは、その頃の私でも十分理解できました。
成長しない同期もいた
一方、私のチームには、同期がおりました。彼は特に怒られることはなく、余裕そうに定時帰りで1年を過ごしていました。しかし、チーム内で編成が変わったところで、ある事実が浮かび上がりました。
彼はチームを組んでいた先輩の職員から、仕事をロクに振ってもらっておらず、業務遂行能力が全く備わっていなかったのです。いざプロジェクトに関する具体的な仕事をやらせてみたらてんで使い物にならず、チーム全体がパニックになってしまいました。
彼はその後1年間、私以上に叱責をされ続けましたが、結局成果はあげられず、チームメンバーも最後は匙を投げるような形で彼は異動を迎えました。
このように、怒られるから、自分は劣っている。怒られていないアイツは優秀なんだというように思い込む必要は全くありません。あなたはあなた、アイツはアイツです。怒られているのがいやなら、及第点を取れるように努力すればいいのです。
まとめ
- 上司が怒る理由は、あなたに成長して欲しいから。
- 本当は上司も、自分の時間を犠牲にして怒りたくない。
- 怒られるということは、あなたに期待しているということ。見限っている職員はそもそも怒りもしない。
- 怒られても、周りより評価が低いわけではないから、劣等感を感じる必要はない。
- 本当に心配すべきは、怒られることではなく、怒られた上で結果を出せないこと。