「公務員試験のボーダーは6割」の意味を解説します
公務員試験のボーダーを知りたい人
公務員試験合格のボーダーラインは大体どのくらいなのだろう。6割という人もいれば7割という人もいる。どのくらいを目指して勉強すればよいのかわからない。

こんな疑問に答えていきます。

本記事の内容

・公務員試験のボーダーラインは6割です

・『6割正解』の意味を解説するよ

・受験のテクニックについて

お疲れ様です、公務員大学 総長のはやたです。

私は現役の地方公務員で、在学中に「特別区Ⅰ種」「裁判所事務一般」「地方上級」の筆記試験をパスしております。

よくある受験生の悩みの一つに、「公務員試験のボーダーラインがわからない」ということがあると思います。

これはつまり、ゴール地点がわかっていないということでして、すぐに解決しなければならない問題です。

私も受験生の頃、少しふわっとした気持ちで勉強していました。例えるならゴールの見えないマラソンのようなもので、モチベーションの維持が難しくなった時期もあります。

しかしながらきちんとゴール地点であるボーダーラインを分析し、試験に対する心構えを変えたことで、より真剣に勉強に取り組むことができました。

そこで今回は、公務員試験のボーダーラインについて、考察していきたいと思います。

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公務員試験のボーダーは6

グラフや表などの統計データ

公務員試験のボーダーラインは、完全に公開されているわけではありませんが、一般的には6割。安全圏は7割と言われています。

なぜ少し弱い表現をしているかと言うと、国家公務員以外では情報公開がされていないからです。

ただ、国家公務員の試験と地方公務員の試験で難易度はそこまで変わらないので、国家公務員試験ベースで考えることはそれなりに根拠があると考えることができます。

国家公務員試験を分析してみる

国家公務員試験のボーダーラインや平均点は、人事院HP(外部リンク)に掲載されており、確認することができます。

ただし、得点の出し方が複雑であるため、理解するのがちょっと難しいです。

得点についての考え方

受験者の筆記試験の得点は、各試験項目の素点(多肢選択式試験の場合は正解数、記述式試験の場合は複数の評価者による評価を総合した値)ではなく、試験種目ごとに平均点、標準偏差を用いて算出した標準点としています。

標準点=10×試験種目別の配点比率×{15×(XーM)/σ+50}

X:ある受験者の素点、M:当該試験科目の平均点、σ:当該試験科目の標準偏差

「2020年度国家公務員試験採用一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法」より抜粋)

意味不明だと思いますが、この数式に基づいて計算していくと、6割で合格点になるということが見えてきます。

合格点の確認

人事院HPを確認してみると、行政関東甲信越の場合はボーダーラインは標準点で「377点」となっています。

この377点にたどり着くには、何問正解すればよいのか、見ていきましょう。

6割正解と仮定

基礎能力試験、専門試験をそれぞれ6割(24問)正解したと仮定すると、下記の標準点が導き出せます。

【基礎能力試験】

10×2/9×{15×(2419.099)/4.80750=145点

【専門試験(行政)】

10×4/9×{15×(2421.808)/7.21350=242点

 2つを合計すると387点となり、6割得点すると行政関東甲信越のボーダーラインである377点に届いています。

公務員試験のボーダーラインが6割という話は、ある程度の数字的根拠があるということがわかりましたね。

6割正解」の意味を解説するよ

赤ペンで「CHECK」と書かれたノート

6割正解することが必要ということは、6割の問題を確実に回答できる状態にしなければならないということではありません。

なぜなら、公務員試験の最大の障壁である筆記試験はマークシートなので、運で取れる点数が一定程度あるからです。

半分わかれば合格できる話

イメージとしては、下記の通り。

・40問中20問:自信のある問題

 ⇒8割の16問が正解。

・40問中10問:自信がない問題(2択まで絞れた)

 ⇒半分の5問が正解。

・40問中10問:自信が全くない問題(4択のまま)

 ⇒3問が正解。

合計で24問が正解で、ギリギリですがボーダーラインに達していますね。

この状態に達することが、公務員試験の勉強のゴール地点になります。

本番の試験で「4択のままカンで塗りつぶす」とか有り得ないので、少し厳しめに見積もっても5割でOKです。

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受験勉強のテクニックについて

出世・成功までのステップ

より効率的に勉強を勧められるよう、受験勉強のテクニックについても少しふれておきたいと思います。

専門科目の比重を高める

標準点の出し方は、下記の通りでしたよね。

標準点=10×試験種目熱の配点比率×{15×(XーM)/σ+50}

国家公務員の場合は基礎能力試験(教養試験)の配点比率は2/9、専門試験は4/9です。

つまり、配点比率が高い試験で点数を取れた方が、圧倒的に有利なわけですね。

地方公務員の場合は比率や算定方法がまた異なってくると思いますが、いずれにしても専門重視であることは間違いありませんので、専門試験にウェイトを置いて勉強することで、より合格に近づけると思います。

ちなみに私は、教養6割、専門8割をターゲットにしていました。

専門試験がない場合

市役所や警察・消防などの専門試験がない場合は、一般知識を得点源にできるとよいと思います。

なぜかというと、一般知識は「知っているかどうか」の分野になるので、考える必要がありません。知っていれば即得点になるので、コスパがいいわけですね。

一方で、一般教養は理解力を問われるので、元々の思考能力、分析能力や当日の問題との相性にも左右されてしまい、点がとれるか不透明です。

もちろん、一般教養の方が問題数としては多いので、軽視してはいけないのですが、一般知識は知っていれば即回答なので、より安定した得点源になりやすいですよ。

万が一には備えるべき

公務員試験は合格できる人の方が圧倒的に少ないです。

そのため、落ちてしまった時のこともきちんと考えておく必要があります。

不合格だった時への備えについては、「公務員試験に落ちたら取るべき行動【浪人すべき?】 」にてまとめてありますので、よければ参考にどうぞ。

もちろん、「落ちたときのことを考えるなんて不謹慎だし、そんな余裕はない」という意見もあると思いますが、現実として落ちる人の方が多いわけで。

現実と向き合って準備を進めていきましょう。

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まとめ

・公務員試験のボーダーラインは、国家公務員のみ公開されている。

・公開データに基づくと、ボーダーラインは6割。

6割正解するためには、半分の問題を完全に回答できるようにすればよい。残りは運で点がとれる。

・専門科目は配点比率が高い上に知識問題なので、教養よりも勉強の比重を高めておくべき。

こんな感じですね。

公務員試験は大変な試験ですが、正しく努力すれば誰でも合格できる試験です。

特に勉強始めた頃は心が折れそうになると思いますが、それは誰でも同じですので、めげずに頑張ってください。

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