お疲れさまです、公務員大学 総長のはやたです。
先日の記事では、転職を考えている会社員の方は、短期間で転職をするのは非合理的だと書きました。
しかし、公務員への転職の場合は、そうとも限りません。むしろ、早ければ早いほどよいと言えます。両者の違いはどこにあるのでしょうか。
公務員になるには
公務員と一口に言っても、我々のような都道府県の職員や官僚のような行政マン、消防士や警察といった公安系、国税専門官や裁判所事務官など数えきれない職種があります。
しかし職種により内容は異なりますが、公務員になる流れはどこも同じです。
詳細は過去記事(公務員になるには - 軟派公務員)をご参照いただきたいと思いますが、公務員になるためには「①筆記試験」と「②面接試験」の2つをパスしなければなりません。
なお、ある程度の経験年数がある場合、経験者採用という手段を取ることもできます(※)が、倍率が桁違いなので現実的ではありません。合格者は、メガバン・商社・証券上がりばかりです。
(※)経験者採用試験の場合、行政職は教養と論文のみの場合が多く、また職務経験年数を給料に加味してくれる。
なぜ、早めに転職すべきなのか
上記の通り、公務員になるためには「①筆記試験」と「②面接試験」がありますが、この筆記試験が最大のネックです。
面接試験は、民間企業のタフな面接をクリアしている方であれば、何ら苦ではないと思います。
しかし、筆記試験はそうはいきません。過去記事にも書いてありますが、その範囲は膨大であり、片手間で何とかなるものではありません。
この筆記試験をパスするためには、早めに行動を開始することが鍵となります。
①最低1年かかる
私は3ヶ月という非常に短い期間で合格できましたが、これは学生という特権をフルに活用した結果によるものです。勉強時間を概算で出すと約900時間です。平日に仕事がある社会人がこのノルマを達成するには、
- 平日:2時間/日
- 休日:8時間/日
1週間換算すると、10時間+16時間=26時間/週です。
1ヶ月換算すると、26時間×4週間=104時間/月です。
毎日休まずに勉強をしたとして、単純計算で9ヶ月かかります。しかし現実にこんなタフなスケジュールで勉強できるはずがありません。
実際には、1年程度を見込んで勉強する方が多いように感じます。1年というスパンならば計画もたてやすいと思いますし、やはり最低でも1年間は勉強するという姿勢が必要でしょう。
3年以内の会社員ならばまだ経験年数が浅いため、職場での地位も高くありません。仕事へのプレッシャーも少なく、何より体力があります。
職場からの引き留めもなく、かつ仕事のレベルもまだ高くない上に体力もある若手のうちが、公務員試験の対策を始める唯一無二のチャンスなのです。
②入った後が不利
無事、公務員になれたとしても、同じ試験を受験しているため、新規採用試験で入庁した職員はみな同じスタート地点です。
そのため、新卒であっても、民間で5年経験がある人も、同じ扱いとなることが基本です。
大卒公務員の初任給は自治体や職種によりまちまちですが、だいたいどこも20万ちょいです。
年功序列が残っていることが多いため、昇給や昇任のペースはある程度調整してくれますが、20代後半の自分と新卒の職員が同じ給料からスタートで、しかも20万というのはかなりつらいと思います。
そのダメージを軽減するためにも、早めに転職してしまった方がよいのです。
まとめ
- 民間から公務員へ転職する場合は、3年以内に行動を開始すべき。
- 公務員試験をパスするには膨大な時間が必要であり、時間と体力がある若手のうちに行った方が有利。
- 入庁した後は新卒採用組と同列になるため、給料が低い状態になる。途中から修正が入っていくものの、給料が同じ年代に比べ低くなるため、ダメージが少ない若手のうちに転職すべき。
- なお、経験者採用試験は難易度がとても高いため、エリート層以外はオススメしない。