どのくらい勉強すれば合格できるのか、合格者からの話を聞きたいな。
本記事の内容
・公務員試験合格に必要な勉強時間は1,000時間
・勉強時間だけを追求しても不合格です
・試験種類は違っても勉強時間の違いはありません
お疲れ様です、公務員大学 総長のはやたです。
私は現役の県庁職員で、現在はオリンピック関係機関へと出向しております。
公務員試験は大学3年生の頃から勉強を始め、東京都特別区、地方上級、裁判所事務一般職の筆記試験に現役合格をしています。
公務員試験は、難関試験だと言われており、どのくらいの勉強時間で合格できるのか、気になるところですよね。
今回の記事では、「公務員試験はどのくらいの難易度=勉強時間が必要」なのか、詳細に解説をしていきたいと思います。
公務員試験合格に必要な勉強時間は1,000時間
公務員試験合格に必要な勉強時間は、ズバリ1,000時間程度です。
というのも、1,000時間勉強すると、公務員試験の範囲(教養+専門科目)を3周カバーすることができます。多少の個人差はありますけど。
1,000時間で合格できる根拠
・最初の500時間⇒試験範囲1周目(基礎をつくる)
・次の300時間 ⇒試験範囲2週目(実践練習)
・次の200時間 ⇒試験範囲3周目(最終調整)
人間不思議なもので、3回やると大抵なんでも頭に入ります。
1回目⇒なんとなく、頭に残る
2回目⇒考えると、思い出す
3回目⇒体が覚えている
感覚的な話ですけど、理解が深まるにつれて、脳内に回路が作られていきスムーズに答えを引き出せるようになるはずです。
最初の1周目が一番大変
公務員試験の勉強は、やり始めの頃が一番大変です。
初めて聞く法律用語や経済用語、教養科目の考え方などに苦戦し、公務員試験の範囲の1周目にはどう頑張っても500時間はかかります。実際、私もそのくらいかかりました。
ですがこの1周目が最も大切です。ここで様々な知識を吸収し、2回目に取り組む時には「答えを頭から引き出す」段階に達している必要があります。
そうすると徐々に理解が深まり、2週目の勉強は2倍のスピードで範囲を終えることができるはずです。
最初は参考書を開くのも億劫になると思いますが、そこを乗り切れば、冬の時代は終わります。諦めないで頑張りましょう。
「勉強時間0」で受かったは本当?
たまにネットで、「公務員試験はノー勉で受かる・受かった」「ぶっつけ本番で余裕」「SPIとほぼ同じだから余裕」というコメントを見たことがあると思います。
これは真実かもしれませんが、事実を課題に誇張している可能性が極めて高いです。
まず、一般的な公務員試験、例えば「地方上級」「国家一般職」といった試験に、勉強時間0で受かることはあり得ません。
教養科目はSPIとは質が異なるので、応用が利きません。
また、専門科目は大学卒レベルの知識が必要です。ミクロ経済やマクロ経済を1,2年の経済学部生にやらせても解けません。
ですが中には「教養試験のみ」で、さらにその教養試験が「SPIの内容に酷似している」場合があります。その場合はSPIの応用で合格できるかもしれません。
例えば千葉県市川市の採用試験は、一次試験にSPI試験が導入されています。私が受けた頃は「60分120題」というクレイジーな時間配分でしたね。その時は教養しかありませんでしたので、民間志願者でもクリアできたかもしれません。
勉強時間だけを目標にすると失敗する
大体1,000時間くらい勉強すると、公務員試験に合格ができることは間違いありませんが、「ただ1,000時間勉強すれば合格できる」というわけではありません。
正しい勉強方法で勉強することが大事
ただ闇雲に勉強すればいいのではなく、正しい勉強方法で勉強することが大事です。
と心の声が聞こえてきますが、要は「自分にあった勉強方法」です。
抽象的な書き方をしてりますが、これは人によって千差万別のやり方があるという意味です。
例えば、私の場合は「憲法」「民法」「行政法」を下記のようなやり方で勉強していました。
・テキストを3トピック分読む。(2日前の範囲~当日の範囲)
・スーパー過去問ゼミで演習。
・間違えた部分を理解できるまで読み込む。
私個人としてはこのルーティンが最も型にハマった勉強方法でしたので、勉強始めた頃から試験の直前まで、このやり方を貫きました。
ですが上記の勉強方法が合わない人もたくさんいるはずです。公務員試験を志す方の多くは高校受験・大学受験の経験者だと思いますので、自分の中でどのような勉強方法が「正しい勉強方法」か、きちんと考えて勉強を始めましょう。
不合格者の典型パターン
私の友人で、同じく公務員を志していた人がいました。ですが彼はきちんと勉強方法を考えず、ただ勉強をしていただけなので不合格になってしまいました。
・彼は独学ではなく予備校通学者だった
・予備校の授業はきちんと出ていた。
・一方で様々な市販テキストを買いあさり、評論家のようになっていた
・毎日のように「昨日〇〇時間勉強して、寝不足」ということを自慢?していた
A君は顔を合わせるたび、「〇〇社の参考書はわかりやすい、△△社はダメ」「昨日は15時間も勉強した」など、自信ありげに言っていました。
私の周囲の合格者とは、「どうやって勉強してる?」という会話をよくしていたのですが、彼とは「どのくらい勉強してる?」という会話しかしませんでした。
ここからは推測の域になりますが、A君は勉強することが目標になってしまい、勉強方法には無頓着になってしまったのだと思います。
自分に合った「正しい勉強方法」は自分で見つけるしかありませんので、大変だと思いますが最初が肝心です。頑張りましょう!
試験種類は違っても勉強時間の違いはありません
公務員試験はたくさんの種類がありますが、勉強時間という視点で見れば大差ありません。
例えば「国家一般職」と「裁判所事務一般職」、「東京都特別区」では、必要な勉強時間にさほど差は生じません。
試験科目が同じだから
公務員試験の種類によって、必要な勉強時間に差が生じない理由は、試験種類は違っても試験科目は同じことがほとんどだからです。
試験種類 | 回答方法 | 専門科目 |
国家一般職 | 次のうちから8科目を選択し、40題回答 |
憲法、行政法、民法Ⅰ、民法Ⅱ ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学 政治学、行政学、社会学、心理学、教育学 国際関係、英語 |
東京都特別区 | 次の55題のうち、40題に回答。 |
憲法、行政法、民法Ⅰ、民法Ⅱ ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学 政治学、行政学、社会学 |
裁判所一般職 |
必須20題 選択10題 |
必須:憲法13題、民法7題 選択:刑法又は経済理論 |
(下線部:各試験間での重複科目)
例えば私が「国家一般」「裁判所事務一般」「東京都特別区」を受験しようとしたら、下線を引いてある「憲法・行政法・民法Ⅰ・Ⅱ、ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学、行政学・政治学・経営学・社会学」から8個選んで勉強すればいいわけですね。
これは他の地方上級試験や国税専門官なども同様で、微妙な試験ごとのクセ(裁判所事務は法律系がちょっと難しい)はあれど、傾向は変わりません。
ですから、どこの試験を受けようが、大体範囲は同じであるため、必要な勉強時間は変わりません。
まとめ
- 公務員試験の合格に必要な勉強時間は、大体1,000時間くらい。
- 1,000時間勉強すると、試験範囲を3周できる。3周すれば体で反応できるようになる。
- 「1,000時間勉強すること自体」が目標ではダメ。
- 自分に合った正しい勉強方法を最初の500時間の中で見つける。試行錯誤を繰り返すべき。
- 第一志望がどこであろうと、大体試験科目は同じだから必要な勉強時間は1,000時間。