【社会人向け】公務員試験スタートガイド
公務員になりたい人
公務員になりたいと考えているけど、まずは何から手をつければいいのかわからない。何から始めていけばいいのか、誰か教えてくださいな。

こんな疑問に答えていきます。

✔︎本記事の内容

①基礎理解:公務員試験を知る

②勉強準備: 独学か予備校かを決める

③学習手順:過去問を解きまくろう

④面接対策:筆記試験の後からでは遅い

読者さんへ前置きメッセージ

本記事は、「公務員試験の勉強をスタートしたいけど、何から始めたら良いのかわからないよ」という社会人向けに書いています。

本記事を読むことで、「公務員試験の概要」「起こすべき最初のアクション」「学習の進め方」がわかります。

公務員はワークライフバランスの取れた、良い職業だと思います。

私自身は追いかけたい夢ができたので、民間へ転職したのですが、そうでなければ普通に公務員を続けていたと思います。

そんな公務員になりたい人たちへ少しでも力になれればと思い、本記事を執筆しました。

それでは、早速みていきましょう!

本記事は文量が多いまとめ記事となっているので、ブックマークして何度か読み直せるようにしておくと便利です!

①基礎理解:公務員試験を知る

まずは公務員試験の概要からですね。

受験資格

公務員試験の受験資格は受験先によって変わるのですが、ほとんどの場合「年齢制限」「職務経験年数」のみの制限となっています。

イメージをしやすくするために、2021年度の東京都特別区の事例を見てみましょう。

東京都特別区の受験資格
  • 類・事務(大卒程度):22歳以上32歳未満
  • 類・事務(高卒程度):18歳以上22歳未満
  • 経験者(主事級):60歳未満で、直近10年中で4年以上民間企業に在籍
  • 経験者(主任級):60歳未満で、直近14年中で8年以上民間企業に在籍

社会人の場合で厄介な点として、受験先によっては複数の試験区分で受験対象者となることがあります。

特別区の場合ですと、例えば28歳で民間経験5年の人の場合、類と経験者(主事級)を両方の受験資格を持っています。

ただし、類を受けたら経験者採用は受けれない仕組みとなっているので、事前に自分が希望する行政機関の試験区分と受験資格を確認しておくことが必要です。

次では受験先によって差があることは前提としつつ、転職の主な2パターンを紹介しますね。

転職ルート①:大卒程度試験を受ける

30歳未満の場合は、基本的に大卒程度の試験を受けることになります。

「大卒程度」という名称ですが、多くの行政機関・自治体では30歳未満としているところが多く、職歴・学歴も不問の場合がほとんどです。

試験科目

大卒程度の場合は、教養科目に加えて専門科目も必要となる場合が多いですね。

<教養科目>

一般教養:文章理解・判断推理・数的処理・資料解釈

一般知識:自然科学・社会科学・人文科学・時事問題

<専門科目>

憲法・民法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学・政治学・行政学・財政学

教員・消防や警察官など、一部の試験では教養のみの場合もありますが、「行政(事務)」の仕事をする場合は専門試験が課されると考えて差し支えないでしょう。

目安勉強時間

目安としては、1,000時間が必要となります。

実際、私も受験した際は1,000時間の勉強をして試験に臨みました。

内訳としては、教養300時間、専門700時間といった割合ですね。

過去に自分が何の学部だったのかも重要な要素なので、あくまで目安と受け取ってください。

詳細はこちらの記事で解説しています。

関連記事:公務員への転職に必要な勉強時間とは【元県庁職員が解説】

試験日程

2022年度の試験日程です。

全ての試験は網羅できないので、代表的な試験をピックアップしました。

2022年度の公務員試験日程(一部)
  • 4/24(日)国家公務員総合職
  • 5/1(日)特別区類、東京都B
  • 5/7(土)裁判所事務官(総合職・一般職)
  • 6/5(日)国税専門官、労働基準監督署
  • 6/12(日)国家公務員一般職
  • 6/19(日)地方上級、市役所A日程
  • 9月中旬:市役所C日程

多くの試験は4月終わりから6月にかけて行われ、7月・8月は面接を消化するスケジュールとなります。

C日程を希望する場合は9月に試験、面接は10月以降となるため、長丁場になりますね。

転職ルート②:職務経験者採用試験を受ける

30歳以上の場合は、大卒程度試験を受けられない場合も増えてきます。

基本的に30代以降は職務経験者採用試験を受けることになるでしょう。

試験科目

経験者採用の場合は、基本的に専門科目はありません。

職務経験者採用試験の科目

<教養科目>

一般教養:文章理解・判断推理・数的処理・資料解釈

一般知識:自然科学・社会科学・人文科学・時事問題

<専門科目>

なし

また、神奈川県のように、教養試験の代わりに論文の事前提出が一次試験となっているところもあります。

トレンドとして自治体が試験に独自カラーを出してきているので、希望する受験先の情報は絶対にチェックしておきましょう。

目安勉強時間

既出になりますが、教養のみの場合は300時間程度が目安となります。

ただし、職務経験者採用の場合は教養のみとなるため、300時間~400時間と少し多めにとらえておいた方が安全でしょう。

試験日程

職務経験者採用試験の場合、試験日程は行政機関によってバラバラとなります。

特に地方公務員志望の場合、大卒程度試験のように横並びの重複が少なくなるため、より多くの自治体を受けることができます。

2022年度の公務員試験日程(一部)

4/17(日)和歌山県、山口県

5/8(日)鳥取県

6/19(日)山口県

7/10(日)静岡県

8/14(日)東京都キャリア活用

8/15(月)神奈川県論文提出締め切り

9/4(日)特別区、国家公務員一般職

9/18(日)愛知県

書ききれないので一部抜粋です。

おすすめガイドブックの紹介

公務員転職ハンドブック

クレアール:社会人のための公務員転職ハンドブック

今までに紹介した内容をさらに詳しく、他のコンテンツも盛り込んだ無料のハンドブックがあります。

公務員試験予備校のクレアールさんが出している「社会人のための公務員転職ハンドブック」という資料で、内容は下記の通り。

・公務員の仕組み(受験資格・試験区分・職種)

・試験スケジュール

・転職ルート

・教養試験の過去問

・論文試験の過去問

・面接試験の解説

・社会人採用試験の過去データ(受験資格・試験科目・倍率・初任給)

・転職QA

・合格体験記

この記事を作成するにあたり、参考にさせていただいた本でもあります。

ちなみに、この「社会人のための公務員転職ハンドブック」は資料請求した後に営業の電話がかかってこないという素晴らしいメリットもあります笑。

2022年現在、数量限定となっておりますので、早めに受け取っておきましょう。

公務員試験の複雑で分かりにくい採用試験の仕組みは、単身で情報収集をされている社会人の皆様にとって、「どのような試験なのか」「自分が受験できる試験はあるのか」「実際に転職できるのか」など、簡単に解決できない疑問が多く、公務員に転職したいという気持ちも、多忙な生活の中でかき消されてしまうことも少なくありません。

このハンドブックでは、「転職」という視点で公務員試験の概要や実施状況をご紹介しながら、受験・学習に対する疑問解消にお役立てすることを目的としています。

社会人のための公務員転職ハンドブックより引用)

②勉強準備: 独学か予備校かを決める

公務員試験のイメージがついてきたら、勉強の準備に入っていきます。

早く勉強したい気持ちは分かりますが、まずは準備に専念しましょう。

基本的には予備校を選ぶべき

受験する試験区分関係なく、予備校を選んだ方が良いです。

なぜなら、予備校には試験勉強のノウハウだけでなく、面接のサポートやメンタルのケアなど、総合的なサービスを受けることができるから。

特に面接のサポートは重要で、私は独学だったのですが、面接の練習をすることができず大変苦労した経験があります。誰にも相談できずメンタルも本当にキツかったです。

予備校の相場は20万~30万なので、公務員になった年のボーナスで払ってもお釣りがきます。

教養のみの試験で、面接も自信があるなら独学でも良いかもしれませんが、メンタルのケアがかなりしんどいので、繰り返しますが予備校をおすすめします。

よくある質問:仕事は辞めた方が良い?

受験する試験区分によって戦略は変わってきます。

大卒程度→退職して勉強に専念すべき

職務経験者採用→働きながら試験を受けるべき

専門試験のある大卒程度試験では、勉強時間が1,000時間必要なので、働きながらの受験は困難です。

一方で教養のみの場合は、半分以下の勉強時間で済むため、働きながらでも大丈夫でしょう。

基本的には、メンタルヘルスや経済的な意味でも、出来る限り仕事は続けるべきです。

≫≫関連記事:公務員試験は働きながら受けるべき?【ケース毎に解説】

よくある質問:おすすめの予備校は?

予備校に何を求めるかで、変わってくると思います。

・値段重視なのか?

・実績を重視したいのか?

・通信型or通学型が良いのか?

こんなことを言ってしまうと予備校に怒られてしまうかもしれませんが、どこの予備校も何年も生き残っている(=実績がある)ので、大して大きな差はないと思います。

大手予備校の比較記事も書いておりますので、よければこちらも参考にしてみてください。

≫≫関連記事:公務員試験予備校の徹底比較(元県庁職員が解説)

③学習手順:過去問を解きまくろう

公務員試験攻略のコツは、過去問とお友達になることです。

他のブロガーの記事でも、予備校に行っても同じこと言われると思います。

それくらい、過去問を解くことは重要なのです。

予備校テキストだけでは足りない

予備校に通い始めるとオリジナルテキストが配布されますが、それだけでは到底公務員試験には太刀打ちできません。

市販の過去問題集を併用して使うことが、受験生の間ではデフォルトとなっています。

これは私の頃からずっと変わらない傾向で、過去問の重要性は私以外の公務員も説いています。

基本的に過去問は「スー過去」シリーズでOKなのですが、憲法など場合によっては他の参考書が良い場合もあります。

どの参考書がおすすめなのか、まとめておりますので参考にしてみてください。

≫≫関連記事:公務員試験に独学で3つ合格した際の参考書まとめ

④面接対策:筆記試験の後からでは遅い

特に職務経験者採用の場合、倍率は数十倍になります。

それだけの倍率を掻い潜るのに、筆記試験が終わった空き時間で対策しては差がつけられず、しっかり準備してきたライバルに負けて終わりです。

志望動機で差をつける

公務員試験の面接は、志望動機とそれに関連した質疑応答でしか差をつけることができません。

なぜなら、専門性が求められない職業であり、かつ公平性を求められる職業なのでスキルや創造性で合否を判断していないからです。

逆に言えば、志望動機さえ凝ったものにすれば面接の通過は保証されたも同然なので、対策する箇所がわかっている分やりやすいと言えます。

差をつけるエピソードの作り方

もし、今私が受験生に戻ったとしたら、現役の公務員をかたっぱしから捕まえて話を聞きます。

なぜなら、現役の公務員の話はまさに宝の山だからです。

どういうことかというと、

「あなたが興味のある公務員の仕事」がわかる

「エピソードづくり」をすることができる

上記の通り。

例えば、私が9年間公務員をやった中で一番面白かった仕事は何かと尋ねられたら、オリンピックでも税務でもなく、「障害福祉」だと答えます。

特に障害者スポーツの振興は楽しかったですね。

その次は税務ですかね、なんだかんだ県の歳入を担う重要な役割なので。

公務員の仕事はわかりづらいので、実際に働いている人から話を聞かないとイメージをつけられません。

そして聞いた話の中で、必ず興味を引く仕事が見つかります。

そしたらその仕事について自分で調べて、行事に脚を運んでみればいいのです。

前述の私の例なら、

志望動機の例

・公務員の知人から話を聞き、障害者スポーツに興味を持ち、ボランティア活動に参加したことがきっかけ。

上記の感じですね。

あとは関連する質問として

志望動機の例
  • 「(福祉に関して)市の取り組みで改善した方がいいと思うことはあるか」
  • 「福祉以外には興味ないのか」
  • 「福祉以外の部署に配属されたらどうするか」

など想定していればOKです。簡単ですよね。

志望動機が具体的エピソードに基づいたものであれば、関連質問が簡単に予測できるので、面接のハードルがグッと下がるのです。

公務員全体を見ていると、行動力が乏しい人が多いです。

自分自身の行動力のアピールにもなるので、かなり使える手法だと思いますよ。

ちなみに、私自身の公務員生活はnoteでワンコインにて販売しています。

公務員から話を聞く方法

読者さん
おいおい、肝心の公務員から話を聞く方法がわからないじゃないかよ。知人の公務員なんていないんだよ。

こんな声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。

今では便利なWebサービスができていまして、現役公務員や元公務員からオンラインで話を聞くことができます。もちろん無料です。

具体的な方法は「現役公務員から話を聞く方法」でまとめましたので、こちら参考にどうぞ。

イメージとのギャップを埋めることもできるので、面接対策とは関係なく行動してもいいと思いますよ。

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DMで回答または記事、あるいはツイートで回答します。

無視はしません。

公務員と民間との情報ギャップをできるだけ埋めたいというのが私の思いですので、お気軽にお問い合わせくださいね。

それでは、読んでくださりありがとうございました。

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