公務員試験第二の壁、面接試験(二次試験)。正解がある筆記試験に対して正解がなく、何をどう頑張って良いかわからない面接試験。1年間どんなに頑張っても、面接の時間は20分程度。それで自分の人生が決定づけられてしまう。
ある意味、最も酷な試験だと思います。
その一方で、公務員試験の面接は、民間の面接に比べて易しく、受かりやすいと言われています。それでも、優秀な受験者が2度目、3度目にも関わらず落ちてしまうことがあります。
私の場合は、予備校に通わず独学で公務員試験を全て乗り切りました。
予備校生はもとより、私のように独学で勉強している方の場合、面接の準備を何をどうしたらよいかわからないと思います。本記事では、面接試験で押さえるべきポイントについて、ご説明したいと思います。
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面接試験の基本情報
まず、相手を知ること。これから始めましょう。戦略を立てるにあたって、自分が取り組む試験がどのような位置づけなのか正確に把握することはとても大切です。
面接試験とは、2次試験とも呼ばれ、すべての公務員試験の受験にあたり実施される。その配点比率は筆記試験(1次試験)と比して高く、また試験によっては筆記試験はリセットされ、面接試験の得点のみを最終合否の判定に使用する自治体もある。昨今では個別形式・集団形式の2パターンは最低でも行うことが通例。
試験方法:個別面接2回、集団討論1回
配点:6/11(約54.5%)
試験方法:個別面接(+官庁訪問)
配点;2/9(約22.2%)
試験方法;個別面接
配点:4/10(約40%)
このように、面接試験は行政組織によって重要度が異なっています。昨今の流れでは、地方自治体を中心とし、面接重視となっていますが、国家一般のように、ウェイトが低い機関も未だあります。(同じ国の機関でも、裁判所は面接重視)
中には集団討論がある機関も少なくないため、事前にどのような形式で面接試験が行われるのか、対策の前に情報を一度整理してみることが必要です。
倍率
一番気になるところかもしれませんね。組織間の格差が大きいため、一律に言うことは難しいのですが、
このように、国家公務員では1、5倍程度。つまり3人に2人が合格できる。地方公務員では、バラツキが大きいが、概ね2倍強程度に落ち着く。つまり2人に1人は合格できる。
なんとなく、そんなに難しくないように聞こえてきませんでしょうか。
なお、申込み人数が増えても、筆記試験で落とす人数を調節するため、面接試験の倍率は安定するようになっています。
形式
受験先の組織によりまちまちですが、個人面接は必ずあります。個人面接に付随して集団討論をやる場合や、個人面接を複数回に分けて行うこともあります。同日でやることもありますし、別々の日に行うこともあります。
個人面接を複数回やる場合は、どちらか一方が圧迫気味だというケースをよく耳にしておりますので、その対策をしておくべきだと思います。
また、裁判所事務官については、受験した感想としては、かなり強めにグイグイきた(圧迫気味)印象がありますので、ご参考までに。対して地方自治体は極めて普通の面接でした。
時間
20分〜30分程度が多いです。短く終わると、評価が低いだとか、長いと評価が高いだとか、様々な憶測があるかと思いますが、関係ありません。
こちらが一方的に喋りすぎてもダメですし、短すぎてもアウトです。面接官が「2分程度で」等指定した時はよいですが、1つの質問に対し1分程度に収まるように心がけましょう。
特に「自己PRを2分」で、というのはよく出る質問ですが、これ案外キツイです。自分のいいところを2分間も喋り続けるのもつらいです、2分間のスピーチって、案外すごい文量になりますよ。
面接官の人数
2人〜3人です。
集団面接の場合は、受験生は4人〜6人程度。一つの島を作るように着座し、あるテーマについて、どのように改善・解決すべきか等を議論し、まとめて試験官へ発表するといったものがオーソドックス。
他のケースとしては、横並びに着座し、試験官が出した質問に対して挙手形式で答えるといったものもあった。(特別区では、このような形式であった)
公務員試験の面接試験は、個性ではない「人柄」評価
さて、ここまでで、面接試験の基本情報を得ました。次に必要な情報は、「面接官は受験生に何を求めているか?」という点です。ここを履き違えると、きちんとした回答が作れません。
公務員試験の面接で見られているポイントは、あなたの知識の豊富さ、エキセントリックな個性ではありません。より重視されるポイントは、あなたの話し方や、話している際のしぐさです。
公務員試験の面接は、飛びぬけた逸材を発掘するための試験ではありません。むしろそういった変り種な方は、落ちやすいといえます。なぜなら、公務員試験の面接の目的は、誤解を恐れずに言うと、普通な人を選抜することにあるからです。
公務員という性質上、市民との関わりは避けられません。窓口部門に横柄な態度の職員を配置してしまったら、致命的なのです。
変り種の天才より、人当たりのよい秀才が好まれます。入ってみるとわかりますが、同期は民間のようにギラギラしている人よりも、穏やかで優しい方が多いですよ、本当に。
これは、採用後に人事の幹部職員から採用の決め手を聞きました。それは、
とのことでした。なんとなく、納得できる気がしませんか?
ここに、公務員試験に連続で落ち続ける人のカラクリがあります。要は、公務員としては不適正とのジャッジを下されているのです。
ハッキリと申し上げますが、面接試験の全滅を経験したらその方は公務員には向いていません。諦めた方が無難です。私の友人も、2年間チャレンジを続けましたが、いずれも面接で全滅し(6戦6敗)、結局民間へ就職しました。
彼は高学歴ですし、人柄も悪くなかったのですが、どこか変わっている空気を纏っていたため、面接官に見抜かれたのでしょう。
公務員試験における面接対策
面接試験での質問内容は、オーソドックスなものが多い
話す内容よりも話し方が大事、と書きましたが、話す内容をおろそかしてはいけません。とはいっても、キラーパスみたいな質問はされません。質問される内容は、オーソドックスな内容のみで終わることがほとんどです。
このような質問が民間ではなされるとネットでは見かけますが、このようなケイスケ・ホンダも真っ青なキラーパスは有り得ませんので、安心してください。もし聞いてきたら、人事課の暴走か、かなり意識が高い自治体なのでしょう(苦笑)。
話が逸れましたが、聞かれることは至極基本なものです。
- あなたが○○県(市町)で働きたい理由を教えてください
- 採用されたら、どんな仕事をしたいですか?
- 県政(市政)にどんな貢献ができると思いますか?
これらを抑えておけば8割がたOKです。
抑えておくというのは、これらの質問に答えられるようにしておくだけではありません。
試験官は一つの質問から派生して、どうしてそう思ったのか、もう少し具体的に、もしそれが実現できなかったなら?など、掘り下げて聞いてくることが多いです。ですから、1つの質問から想定される問答を考えられる限り用意することが必要です。
個人的には、参考書1冊を読み込み、あらゆる質問を想定することで対応できると思います。参考までに、私が利用した参考書を紹介しますね。
志望動機は必ず押さえよう!
面接試験は、志望動機がきちんと説明できるか否かが鍵です。なぜなら志望動機は最初に質問される可能性が高く、かつ他の質問にも繋がる核となる質問だからです。
私は公務員試験の筆記試験を3つパスし、面接まで進みました。そのうちの1つに、裁判所事務官がありました。志望順位が低く志望動機を十分に練らないでいたため、面接官からの追及に耐えきれず、言葉に詰まってしまったのです。
結果はもちろん不合格。志望動機を精査していなかったことが敗因でした。
逆に地方上級の試験は第2希望でしたが地元ということもあり、志望動機が練りやすかったため、面接シート・面接ともに一度も詰まることなく楽勝で合格しました。
ここで痛感したことは、そもそも志望動機を考えるという行為自体が、誤りであったということです。あなたが本当にその自治体で働きたいという明確な理由を持っていれば、それを言葉で表すだけなので、特に考える必要はないのです。
多くの受験生は、公務員になることが目的となっており、志望動機がついてこないというパターンに陥ります。
公務員になりたい⇒勉強しよう⇒筆記パス⇒志望動機を考える
志望動機の発生⇒公務員になりたい⇒勉強しよう⇒筆記パス⇒面接
とは言っても、【楽に合格できるケース】で進めることができる人はそもそもこの記事を見ていないと思うので、皆さん【よくあるケース】に該当すると思いますが、人事担当者はこのあたりをものすごく的確に見抜いてきます。
コツとしては、なんでもいいからエピソードを交えるとよいと思います。どんな些細なことでもいいのです。後は自分が面接官からの追及に耐えられるよう、肉付けをしてくください。多少なら誇張してかまいません。ただし、ウソをつくとすぐにバレますので、少し盛るくらいにしましょう。
掘り下げてくる内容を予想しよう
公務員試験は、イレギュラーな質問をしてきませんが、ひたすら掘り下げて質問してきます。人事課というのは優秀な職員の集まりですから、知識も豊富で頭の回転も早いです。
例えば、志望動機を聞かれ、「大学で学んだ専門知識を入庁後も活かしたいです」という趣旨の回答をしたとします。
- 「それはどの部署で?」
- 「本県で実施している類似の政策があるけど、それをどう改善したいのですか?」
- 「先日その話の法案、議会通りましたね。あなたはどう考えていますか?」
このように、結構掘り下げて来ます。
ちなみに上記の質問はすべて私が面接で実際に聞かれた内容です。少し焦った記憶もありますが、本当に大学で学んだことを活かしたいと考え、勉強しているのならば、すべて即答できる質問のハズです。
このように、掘り下げられることを予想し、様々なパターンの回答を用意しておくことが大切です。
理論武装された回答ではなく、本心から答えられる回答を用意しておけば、面接対策はバッチリです。
まとめ
- 面接は、20分程度で、個人とグループ面接がある。
- 人柄重視。「あなたと働きたいかどうか」が決め手。
- 話す内容は、志望動機を徹底的に掘り下げておくこと。