


こんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 公務員から転職するメリット・デメリット
- 転職市場を知ろう
- 【タイプ別】公務員からのおすすめ転職先3つ
- 公務員からの転職を成功させるポイント
こんにちは、はやたです!
この記事を書いている僕ですが、「30代」「地方公務員(県庁)」「コロナ禍」という三重苦の中で内定を4つ獲得し、現在は中堅の民間企業でWebの仕事をしています。
この記事にたどり着いたあなたは、公務員から転職を考えてはいるものの、どの業界に進めばいいのかお悩みですよね。
そこで今回の記事では、公務員からのおすすめ転職先について、解説したいと思います。
この記事の目次
公務員から転職するメリット・デメリット
実際に公務員から民間企業へと転職した経験から、転職のメリットとデメリットを解説します。
公務員から転職するメリット
民間への転職で得られるメリットは下記の3つです。
- 残業時間が減る
- 自分のペースで仕事ができる
- 自分で仕事が選べるようになる
残業時間が減る
下記のツイートをみてください。
転職して初めて20時半まで残業しました
— はやた@数字に追われる元公務員 (@nanpa_komuin) November 16, 2021
頭が痛くなりました
公務員時代の残業80時間とか100時間とか頭おかしかったんちゃうか・・・
現役の公務員時代は激務部署が多かったので、1ヶ月で60時間~80時間くらいの残業は珍しくありませんでした。
今の会社ではあまり残業がなく、ほぼ定時で帰れているので、労働時間はかなり少なくなりました。
もちろん、業界によって変わるとは思いますが、転職仲間からも「21時になっても課員が全員在席」なんてことは聞いたことがありません。
自分のペースで仕事ができる
個人的には一番嬉しいメリット。
会社員となった今、基本的に自分が立てた予定通りに仕事を進めることができています。
公務員時代は「照会もの」「窓口対応」「電話対応」の仕事が多く、予定通りに仕事を進められることは皆無でした。
特に照会ものがなくなったことが大きいですね。
外野からの妨害が少ない環境で仕事ができるので、ストレス軽減で良い環境になったと感じています。
自分で仕事が選べるようになる
一度転職に成功すると、「何かあったらまた転職すればいいや」という感覚が身につきます。
自分のスキルで稼げるようになるので、特定の会社にこだわる意識がなくなるんですよね。
要するに、いざというときの逃げ道が常にあるわけで、精神面をより安定させることができます。
公務員から転職するデメリット
逆に公務員から転職することのデメリットは下記の通り。
- 給料が減る
- カレンダー通りに休めなくなる
- 社会的信用が小さくなる
給料が減る
公務員から転職した場合、ほとんどの場合で給料が下がります。
多くの場合は300万円台で、400万円台なら悪くない話という感じ。
これは自分のキャリアがリセットされるため、避けようがありません。
もちろん年齢にもよりますが、給料がアップするケースはあり得ないので、この点はきちんと理解しておきましょう。
社会的信用が小さくなる
転職先は中小規模の会社になるため、公務員と比較して社会的信用は小さくなります。
特に住宅購入を考えている人など、規模が大きい借入を考えている人の場合、転職後は審査が通らなくなる可能性があるため、気をつけましょう。
カレンダー通りに休めなくなる
会社によってはシフト制、当番制のところもあり、カレンダー通りに休みが取れないことも増えます。
例えば私の場合、日・祝は休みですが、土曜日は月に1、2回出勤しています。(もちろん、代わりに平日のどこかが休みになります)
職種によっては休みが不規則になることもありますね。
転職市場を分析しよう
転職をスムーズに進めるためには、転職市場ではどの業界が活況で、逆にどの業界は転職が難しいのかを知っておく必要があります。
業界別の求人倍率(2021.7)
Dodaの求人倍率レポート(業界別)によれば、各業界の求人倍率は下記の通りとなっています。(2021年7月時点)
全業界:2.15倍
IT・通信:6,41倍
メディア:1.39倍
金融:1.49倍
メディカル:1.59倍
メーカー:1.82倍
商社:0.95倍
小売・外食:0.75倍
サービス:2.28倍
その他:0.88倍
全業界では2.15倍ですが、「IT・通信」「サービス」に引っ張られて、あとは2倍以下となっている業界がほとんどのようです。
IT系とサービス業は求人倍率が高く、他の業界はどれも似たような状況だと言えるでしょう。
職種別の求人倍率(2021.7)
続いて「職種別」の求人倍率を見てみましょう。
こちらの方がイメージは湧きやすいかもしれません。
全業界:2.15倍
営業系:1,92倍
企画・管理系:1.97倍
技術系(IT・通信):9.17倍
技術系(電気・機械):3.45倍
技術系(メディカル):1.74倍
技術系(化学・食品):1.01倍
技術系(建築・土木):5.21倍
専門職:5.86倍
クリエイティブ系:1.51倍
販売・サービス系:0.55倍
事務系:0.24倍
業界別の求人倍率よりもさらにハッキリした結果が出ています。
専門知識が必要な技術職が強く、「IT・通信」「建築・土木」「専門職」の3つは5倍超となっており、完全に売り手市場となっています。
営業や企画・管理系も求人倍率はほぼ2倍なので、売り手市場だと言えるでしょう。
逆に販売や事務の仕事は求人倍率が低く、転職するのはハードルが高いと言えるでしょう。
【タイプ別】公務員からのおすすめ転職先3つ
転職の目的に合わせて、公務員からのおすすめの転職先(業界)を3つピックアップしてみました。
つぶしが効く人材になりたい→IT系
IT系は将来性がズバ抜けて高い転職先です。
すでに説明した通り、IT系は求人倍率が圧倒的に高く、業界のニーズがそれだけ高いことを数字が示しています。
下記の画像は、経済産業省が公表(みずほ総研に委託)した資料の抜粋です。

平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
2030年には、最大で79万人のIT系人材が不足すると言われております。
市場価値がさらに高騰していくことは容易に想像ができますよね。
転職先としての将来性の高さは、我々公務員自身が認めているのです。
「手に職をつけたい!」と考えるなら、まず先にIT系を考えるべきでしょう。
IT系の職種いろいろ
一口に「IT系」と言っても色々な職種がありますので、簡単ですが解説しますね。
エンジニア(SE・プログラマー)
みなさんが普段使う「スマホアプリ」や「Webアプリ」を開発する人たちです。
黒いモニター2つ見ながらPCをカタカタしてる人たちですね。
IT業界の中でも最も特に人手不足感があるのはこの職種ですね。
コーダー
企業のホームページなど、LP(ランディングページ)と呼ばれるページを主に作る仕事をする人たちです。
正確な表現ではありませんが、エンジニアは高度なWebアプリを開発し、コーダーはLPなどのページを制作する、というイメージですね。
Webデザイナー
PhotoshopやIllustratorを使ったグラフィック制作、Webサイトのレイアウト設計などを行います。
前出のコーダーとWebデザイナーは兼ねることもあります。
Webマーケター
私の転職先ですね。分析ツールを使ったWebサイトの解析と改善の提案、広告の運用などを行います。
レポートの作成と読解が割と中心の仕事なので、公務員はけっこう取っつきやすい転職先だと思います。
営業
IT系にも営業はあります。
エンジニアやWebマーケターほどの専門知識は不要ですが、顧客に説明できるくらいには知識が必要です。
その他
他にもITコンサルやWebライター、CGデザイナーなど無数の仕事があります。
なんでもいいから転職したい→営業系

公務員から転職すること自体を最優先したいなら、営業系の仕事が良いでしょう。
営業系の仕事の良いところは、「未経験OK」が多いところ。
営業マンに求められるスキルはプレゼン・コミュニケーションスキルなので、専門職ほどに実務経験が重視されないためですね。
若ければ「まず営業」という考えもあり
20台半ばくらいまでであれば、営業職にまずついても良いと思います。
なぜなら、営業のスキル(コミュニケーション・プレゼン)は他のどの職種につくにしても、必要になるからです。
専門職であるエンジニアも、コミュニケーション力がなければリーダーにはなれませんし、我々マーケターの世界でも対外交渉ができなければ上流工程に上がることはできません。
1年くらい営業で経験を積んで、その間に自分のやりたいことを探すという考えもアリだと思います。
前職のスキルを活かしたい→事務系
公務員としてのスキルを活かしたいなら、労務や総務の仕事である「事務系」の仕事が良いでしょう。
全職種の中で唯一、仕事に共通点があるので、他の職種と比べて給料の下げ幅も小さく済む可能性もあります。
ただし、すでに解説した通りで倍率がとても高く、技術系(IT・通信)と比べるとその差は40倍にもなるので、相当な苦戦を強いられることは理解しておきましょう。
公務員からの転職を成功させる方法
実際に私が転職に成功した方法を教えます。
それは、民間企業が求めるスキルの水準に達していることを証明する経験を積んでおくことです。
仕事を擬似体験する
民間企業の仕事内容を理解するには、求人票をみる事が一番手っ取り早いです。
もちろん、仕事を見るだけではなくて、求人票に書いてある仕事内容を実際にやってみる事が必要です。
例えば、本記事で取り上げているIT系の職種は割と簡単に取り組む事ができて、下記の通り。
エンジニア:PHP・Javascriptを用いたWebアプリの開発
コーダー:HTML・CSSを用いたコーディング
Webマーケター:GoogleAnalytics、GRCを使ったwebサイトの分析
Webデザイナー:Photoshop、Illustratorを使ったグラフィック作成
全て無料で、PC1台あれば実践できます。
IT系以外の仕事だとしても、知人に頼んで経理実務を見せてもらうなど、方法はあると思いますよ。
実際にやってみて楽しいと思える仕事を転職先として選びましょう。
中小企業がオススメ
会社を選ぶ際は中小企業がおすすめです。
公務員からの転職を目指すなら、『中小企業』がオススメです
— はやた@数字に追われる元公務員 (@nanpa_komuin) May 12, 2021
10人程度の零細企業だと文化が違いすぎるし、大企業に入ると文化がそこまで変わらない
中小企業は程よくベンチャー気質があるけど大企業ほど硬くないので、ほどよいギャップを楽しむことができます😊
中小企業は程々にルールがあり、ベンチャー精神も忘れていない、という感じですね。
まさに大企業と零細企業の中間という感覚です。
大企業だと文化的に公務員と変わりませんし、零細企業だと無法地帯でキツイですよ。そもそも大企業は内定出ませんけどね。
未経験者歓迎のリアル
正直、未経験者OKと書いてある求人はおすすめしません。
- 新卒の学生を取る力がない
- 未経験OKと書かないと応募が来ない
- 退職率が高いので常に人材を募集している
いずれかに該当する可能性が高いからです。
特に専門職で未経験者OKは高確率で地雷ですね。
もちろん、営業職などでは未経験OKでも別に悪いことはないなど、職種による差異はあるので業界研究はきちんと行うようにしましょう。
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 転職市場が最も活況な業界はIT系で、職種でもIT関連職は求人倍率が高い。
- 逆に事務職は求人倍率が低く、転職が難しい職種となっている。
- つぶしが効く仕事がしたいならIT系、なんでもいいなら営業職への転職が良い。
- 転職先を探すには、まず転職サイトの求人を見て、実際の仕事に触れてみると良い。
- 転職先の会社規模は中小企業がおすすめ。程よいゆるさとベンチャー精神がある。
公務員から転職先を探すことは大変です。どの職種を選んでも未経験ですからね。
ポジショントークをするわけではないのですが、IT系は人材の不足が激しく、将来性も高いので、ぜひみなさんに飛び込んできてもらいたいです。
黙々と自分の仕事ができるし、顧客からの電話もないのでマイペースで仕事ができますよ。