お疲れ様です、軟派公務員です。
公務員試験を受けるにあたり、まず最初に訪れる壁があります。
それは、参考書選びです。
公務員試験が難関と言われる最大の理由は、その膨大な試験範囲です。
大学受験の時、センター試験を受けた方はイメージしやすいと思いますが、公務員試験でも、センター試験の試験範囲も対象となっており、出題されます。
全体の1割程度のウェイトとして。
え・・・。高校3年間での範囲が、全体の1割ってこと・・?
あんなに一生懸命勉強した範囲が、わずかな一部分でしかないほど、公務員試験の範囲は広いのです。
受験勉強は、船旅のようなものです。広大な海(=試験範囲)を参考書というコンパスで進んでいきます。
間違って逆方向を向いてしまっていたら、受かるものも受かりません。
私は、公務員試験を受ける際、独学という茨の道を選択しました。(未だに独学で現役合格を果たした(しかも3ヶ月で)猛者を私は見つけておりません)
皆が予備校に通い、テキストをもらい、講師からアドバイスを受けている中、何度も書店に足繁く通い、インターネットで情報を集め、自分に合った最良の参考書選びを時間をかけて行いました。
今回の記事では、私が実際に使用してみて、「コレはオススメしたい!」と思った参考書をまとめてみました。
【前置き】科目の確認
ちょっと待って!範囲が広いって書いてあるけど、一体どんな科目があるの!?
俺は裁判所事務官と国家一般、地方上級受けるけど、範囲は同じなのかな・・・?
一口に公務員試験といっても、国家総合・国家一般・地方上級・政令市・市役所・警察・消防etc......と無数に有ります。
ただし、試験範囲はそんなに変わりません。
代表的な国家一般、地方上級を受けるのであれば、その他の職種は概ねカバーできます。具体的に見て行きましょう。
◯ 一般教養
- 文章理解
- 数的処理(判断推理、数的処理、資料解釈)
◯ 一般知識
- 自然科学
- 社会科学
- 人文科学
- 時事問題
(↓ 基本的に必須科目)
- 憲法
- 民法Ⅰ
- 民法Ⅱ
- 行政法
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 政治学
- 行政学
(↓ 任意選択科目(職種による))
- 財政学
- 経営学
- 社会学
- 国際関係
- 心理学
- 教育学
範囲がいかに膨大かということが理解していただけたと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、上記の科目について、オススメ参考書を紹介して行きたいと思います。
0 はじめに(勉強開始前に)
皆さん、普段勉強する時って、どのようにされていますか?
その方法は、記憶に残りやすい方法ですか?
後から見やすいようなノート構成になっていますか?
学校は勉強を教えてくれますが、「どのように勉強するのか」は教えてくれませんよね。
そういった「そもそもの勉強方法」について言及しているのが、公務員試験受かる勉強法落ちる勉強法【2019年度版】という書籍です。
ストレートなタイトルで、胡散臭さすら感じますが、有用な書籍です。
いつも色々気になって付箋とかマーカーたくさん付けちゃって、後で見返すと何が大事かわかんなくなっちゃうんだよね〜
例えば、ノートの取り方、マーカーの使い方。闇雲に書くだけ、塗るだけでは効率は上がりません。どのようにノートを取れば、記憶に定着しやすくなるかといった勉強法・記憶法が細かく書いてあります。
私は独学でしたが、こちらの書籍に記載されている内容の勉強方法を取り入れ、3ヶ月で現役合格を果たしています。
合う、合わないがあるでしょうが、参考になるとも思いますし、一度「そもそもの勉強方法」を確認してみることをお勧めします。
1 一般教養
さて、ここからが本番です。
教養試験は一般教養と一般知識の二つがありますが、それぞれ全くの別物であり、対策も変わってきます。
一般教養には、
- 文章理解
- 数的推理
この2分野があり、共通して理解力を問う分野となっています。
公務員試験の種類によっては、教養試験のみの場合もあり、特に教養分野はウェイトが高いことから、公務員試験の代名詞的な存在となっています。
しかし、いくら難しいといっても、やり方次第。どんな参考書があるか、見て行きましょう。
一般教養①文章理解
文章理解とは何か。一言で言うと、国語の現代文と古文、そして英語です。
問題の難易度としては、そこまで高くありません。教養問題全般に言えることですが、センター試験レベルです。
理解力を問う問題であり、知識よりも経験、慣れがモノをいう分野になります。
私は下記のスー過去をひたすら毎日1題ずつ解いていました。なぜ正解したのか、なぜ不正解なのかを吟味していくことで、問題の微妙なクセが見えて来ると思います。
また、古文・英文については、演習のほかに、副次的に文法や単語の復習もしておくべきです。高校の頃使っていたものがあればそれでかまいませんが、捨ててしまったという方には、「速読英単語1必修編[改訂第6版]」をお勧めします。
知らない人の方が少ないかもしれません。高校生必携のアイテムです。本を開くと、あるトピックについて見開きで左側に英文、右側に和訳。次ページに高校レベルの単語紹介(例文つき)といった構成になっています。
基本的にこのレベルを超える文章は出てきませんので、ひたすら読み込みましょう。なお、このシリーズで上級編もありますが、そこまでする必要はありません。 時間の無駄です。 (一応リンクは付けておきます)
古文については、「古文単語ゴロゴ」がオススメです。「語呂合わせで古文単語の意味を覚えよう」という面白い趣旨の本で、これも高校生の定番の参考書です。賛否両論あるかと思いますが、私はお勧めします。理由は、飽きないから(笑)。
ふざけているようで、例文や文法の解説など、参考書としてはかなりきちんとまとまっています。私は大学受験の古文はこの本と、学校で配られた文法の本以外はやりませんでした。しかし、マーチ受験の際に古文の満点を2回叩き出しています。
一般教養②数的推理
一般教養の親玉分野で、下記3つの分野があります。
- 判断推理
- 数的処理
- 資料解釈
正直、最初は時間内に解くことが全くできないと思います。私も、最初は時間内に終えることは不可能にすら感じていました。
しかし、実はこの分野については、解法のパターンが決まっているのです。
実際の試験においては、問題を読み、「これはどの問題のパターンか」を考え、当てはめていくといった段取りで解いていきます。(思いつかなければ、飛ばして次の問題へ。)
下記の畑中シリーズについては、問題がジャンルごとに分けられ、各パターンについて細かく説明がされています。一般教養は苦手な方が多く、そういった方向けに作られているため、とても解説がわかりやすいものとなっています。
でも、先生、わたし数字見るだけで吐き気するんだけど・・・。
生来的に数字がダメという方には、下記の高卒程度試験verから始めるという手もあります。
私はこちらの高卒程度の参考書から入り、基礎を固めた後、大卒程度の参考書へレベルアップさせていく方法をとりました。
2 一般知識
一般知識は、ざっくり言うと高校生までに習った範囲が対象の分野です。
一般知能に比べると馴染みもあり、取り組みやすい分野だと言えます。
注意すべきは出題数の少なさです。1科目あたり数題ということが多く、ウェイトとしては低い分野となります。
そのため、最小限の努力でそこそこの結果を目指すといったスタンスで勉強することが望ましいと考えます。
また、この分野は理系文系で得意分野が分かれるところです。私はバリバリの文系であったため、理系科目についてはあまり言及できないのですが、スタンスは同じで、参考書も文系科目と同じ系統の本で問題ないと思います。
一般知識①自然科学
自然科学の範囲は、
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
です。
私が勉強したのは生物・地学の2つです。それ以外は捨てました。
高校の頃からの苦手科目だったので、時間の無駄と判断したためです。
この分野はそのくらいの割り切り方が重要となってきます。
一般知識を勉強する上で肝となる点は、
- 範囲はセンター試験
- 基礎レベルの問題がほとんど
という点です。
そのため、参考書としては
- 要点をまとめている本(読む)
- 基礎レベルの問題集(解く)
を探していくことになります。
生物・地学
「要点をまとめている本」ですが、「改訂版 センター試験 生物基礎の点数が面白いほどとれる本」をオススメします。
特徴としては口語形式での文章となっており、レビューを見てもその分かりやすさが評価されている良書です。公務員試験においても活用されることが多い参考書です。
公務員試験では、すべての範囲をくまなくやる必要はありません。「ある程度」の知識で十分なのです。その「ある程度」を十分にカバーしてくれているのが、このシリーズです。生物のみならず、一般知識全般でオススメします。
「基礎レベルの問題集」ですが、一般知識においては「スー過去」はオススメしません。「スー過去」はデータ量としては一流ですが、分厚く解説がシンプルなため、参考書を広げなければ反復ができず、一般知識の勉強には不向きだと考えます。
その代わりとなるのが、「ダイレクトナビ」シリーズです。生物の場合は、「上・中級公務員試験 過去問ダイレクトナビ 生物・地学 2019年度」になります。
左側に問題文と選択肢、右側に回答という構造になっています。この本のポイントは、左側の選択肢に加工がされており、どこが誤っているのかがわかるようになっています。もちろん、赤シートで隠せば見えないようになっています。
つまり、「スー過去」の場合は自分で書き込む作業がありますが、「ダイレクトナビ」の場合はその作業がいらないということです。
専門科目であればボリューム不足になりますが、一般知識であれば効率重視なので、とても適している参考書だと思います。
一般知識②人文科学
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 文学・芸術
です。
ザ・文系科目という感じですね。
自然科学は理系が余裕でしたが、人文科学では文系の守備範囲の科目になります。
とはいっても、日本史と世界史の両方をやっている人はいないと思いますし、文学・芸術にいたってはみなさん初見のはず。
正直、自然科学より科目ひとつひとつが重たいので、より一層スピーディに吸収できる教材選びが重要になってきます。
それでは、見て行きましょう。
日本史、世界史については、片方は高校の頃にセンターや私大入試で選択したが、もう片方は1年間しかやっていないという人が多いと思います。私もその一人で、日本史を選択していたため、世界史はほとんどゼロスタートの状況でした。
しかし一方的に捨てるのはもったいないので、それぞれ全体の流れを押さえておくくらいはすべきです。
私個人のオススメとしては、ノータッチ科目の方については、ブランクを埋めるために漫画から入ることです。漫画というものは視覚でも覚えることができるので、ややこしい世界史の全体の流れを目でも覚えることができるので、効果的な勉強方と考えます。
なお、いずれも出題されることが多いのは近現代なので、時間がない場合は近現代に絞って勉強するという手もあります。
地理については、地学・生物と同様ですね。「改訂第3版 センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本」で知識を蓄え、ダイレクトナビで演習する。これで十分です。
なお、ちょっとした気晴らしにもなりますし、地図帳の購入もオススメします。ふとした時間に地図帳を眺めて、試験後の旅行に夢を馳せる、そんな時間も必要です(笑)
文学・芸術については、ほとんどの人が初めて勉強する分野だと思います。
何よりこの分野は100%暗記科目です。知っているか否かの世界。
ですから、本気でやる必要はありません。ハンドブックタイプのこちらの問題集「上・中級公務員試験 新・光速マスター 人文科学[改訂版]」を買って、空き時間、寝る前などに目を通すくらいでOKです。「2問のうち、1問知っているものがあればラッキー」といったスタンスでいきましょう。
なお、この光速マスターシリーズについては、日本史等の他の科目も付いていますが、やる必要はありません。参考書に闇雲に手を出すと、記憶が散らばりいざ本番を迎えた時に不必要な箇所で悩んでしまいます。
一般知識③社会科学
- 政治経済
- 現代社会
- 時事
です。
政治経済については、専門試験でカバーできるので、勉強不要です。教養試験のみの市役所等を受けるということでしたら、生物や地学と同様、「改訂第3版 センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本」と「上・中級公務員試験 過去問ダイレクトナビ 政治・経済 2019年度
」の組み合わせで勉強することをオススメします。
現代社会については、一般常識みたいなものなので、補助的に参考書を読み流す程度でよいでしょう。コスパを考えると、「面白いほど点が取れる」シリーズをオススメということになりますが笑
時事については、「速攻の時事」一択です。
これ以外にわかりやすいシリーズはないと思います。
そして時事については、過去問不要です。
過去のものは時事ではありませんから、当然ですよね笑
購入にあたり気を付けなければいけないことは、発売の時期です。
タイトルに「何年度試験対応」と必ず書いてあるので、受験年度と一致している版を必ず購入するようにしてください。