皆様、こんにちは、軟派公務員です。
最近、日経がえらい調子いいですね。
私はトランプ氏当選を見越して、資金保護のため選挙前にほとんどの金融資産を現金化してしまったのですが、今ではすごく後悔しています(苦笑)
民間企業の方は、どうなんでしょう、見た目だけは好景気なのですが、恩恵はあるのでしょうか。(その辺り、本当にわからないもので)
ちなみに最近、私のいとこ(同い年)が、公務員へと転職したと聞きました。
彼はもともと民間企業で営業職を勤めておりましたが、肉体的負担に我慢できなくなり、公務員へと転職したそうです。
民間企業の方が公務員へ転職する際、第2新卒くらいならば新規採用で受けることが多いですが、一般的には経験者採用の試験を受けることになります。
経験者採用の試験を受ける方はかなり多いのですが、合格者は大変少なく、狭き門となっております。
本日は、あまり話題になることのない、公務員の経験者採用試験について、触れたいと思います。
新規採用試験と何が違うの?
新規採用試験については、過去の記事で触れております。
自治体ごとに本当にまちまちなので、一般論として、新規採用試験との相違点について述べたいと思います。
筆記試験の科目が違う
通常、新規採用の場合、ほぼ例外なく下記の組み合わせとなります。
・一般教養+専門科目+論文
経験者採用の場合、
・一般教養+論文
となる場合が多く、専門科目がある場合でも、それは自分が希望する職種の専門知識となり、新規採用のように幅広く法律の知識を問われることはありません。
自分が今まで経験した分野の知識ですから、専門科目があったとしても、さほど負担にならないようになっています。
一定の職務経験年数が必要
新規採用試験の場合、当然ですが新卒者がメインですので、職務経験は必須ではありません。代わりに、一定の年齢制限があります。
東京都などは、下記のように区分しています。
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●院修了・・・ 5年以上
●大学卒・・・ 7年以上
●短大卒・・・ 9年以上
●高校卒・・・11年以上
●中学卒・・・14年以上 等
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30代になるまで経験を積んでから、ということのようですね。
わりと東京都は細かく区分しておりますが、自治体により、「5年以上」など、学歴による区分がない場合などもありますので、受験を考えている方は必ず各自治体のHPを確認してください。
配属先があらかじめ決まっている
新規採用の職員は、本当にランダムに配属先が決定します。
大学の専攻や学生時代の経験、実家の場所など、全く加味されません。
しかし、経験者採用の場合、自分の畑とは違う仕事の部署へ配属されることはありません。
元ゼネコン勤務の方なら土木関連部署へ、元エンジニアなら情報システム関連部署へ、といった具合に、自分の経験値が活かされる所属へ配属されます。
給与はどうなるの?
これについては、どの自治体でも共通することになるかと思いますが、
生え抜きの職員よりも「低く」なります。
ということは当然、民間時代よりも少なくなります。
どういうわけか、公務員へ転職したいという方はエリート層が多く、そういった方々は残念ながら半分程度になると思います。
ちなみに東京都の場合ですと、主任採用で30万弱(※1)のことです。(H29年度のキャリア採用・主任級(※2)の場合)
(※1)地域手当以外の諸手当は加味されておりません。
(※2)主任級とは、30歳ちょうどくらいになるとなる役職で、下から2番目の役職です。(公務員の役職は、主事→主任→主査→係長→課長以上です)
倍率はどのくらい?
都道府県レベルの場合、新規採用試験の倍率が5倍〜8倍の間でほぼ落ち着くのに対し、経験者採用の場合は10倍以上ということも珍しくありません。
もちろん職種にもよります。
専門職の濃い、福祉や土木といった技術職は、さほど倍率は高くなりません。
しかし一般的なサラリーマンが受験可能な行政職、また行政職の中でも財務系などは、相当数の応募があるため、倍率が跳ね上がります。
また、大変なのは競争する相手です。
私が本庁にいた頃、先輩から中途採用者の話を聞きました。
その人の前勤務先は、日系最大手の証券会社であり、成績も上位だったそうです。
ちなみに、いきなり勤務地は財政課(※)だそうで、やはりレベルは相当なものだったようです。
(※)財政課は、どの自治体でも最も大変な部署。エリート集団。
まとめ
転職すると給料は下がる、しかも倍率はエグい、競争相手はエリート層など、マイナスなことばかり書いてしまいましたが、これが経験者が公務員になる時の現実です。
給料が激減することをわかっていながら、しかしそれでも公務員へと転職したいという方は後を絶ちません。
もし、読者の中で公務員へ転職したいと考えている方がおりましたら、ぜひこれらの現実を検討材料にしてください。
悪いことばかり書いてしまいましたが、先輩から聞いたところだと、上述の元証券マンさんは財政に配属されていきなり大変な思いをしながらも、顧客・いつ蹴落とされるかわからないといったプレッシャーから解放されたことで、不満はあまりないそうです。
その他の中途採用者からも、不満の声を聞いたことはないとのこと。
「今の方が全然いい。給料は半分になったけど。」
と、中途採用者の間ではよくジョークで使うようですが苦笑
経済的には苦しくなりますが、精神的にはだいぶ解放されるようですね。